こんにちは、セラピストの小松ゆり子です。
年明けのお仕事もエンジンがかかる頃。冬休み明けで身体の調子がいい...?と思いきや、年末年始の食べ過ぎ飲み過ぎがたたって胃腸の重さがとれなかったり、背中に痛みが出てしまったりしている人も多い様子。
今回はお仕事の合間に取り入れられる、疲れた胃腸に優しいセルフケア方法をお伝えいたします。
知っておくと違いが出る!胃腸と自律神経の関係
胃腸の動きをコントロールしているのは、自分の意志で動かすことができない「自律神経」です。
自律神経は人間がおかれた状況に対応して、「交感神経(闘争と逃走に関わる)」「副交感神経(休息とリラックスに関わる」」がバランスをとることで内臓機能の調整を行っています。
ミーティングをしたり、書類をまとめたり、パソコンに向かったり、いわゆる「お仕事」をしている時は、主に「交感神経」が優位に。
動物としての身体の機能で考えると「仕事をしている=敵と戦っている」と身体は判断し、その状況に身体を適応させようとします。
反対に、「ちゃんと」休憩して「ちゃんと」リラックスできているときは、「副交感神経」が優位となり、「内臓を休め、回復させる」ように働きます。
と、言うことは...
「パソコン仕事しながらデスクでご飯」
「難しい案件を相談しながらのランチ・ミーティング」
「とりあえず立ち食い蕎麦をかっこんで、走って移動」
「クレーム対応や締切間近の仕事のことを考えながらの一人メシ」
など、お仕事中にありがちなお食事のシチュエーション。
これらは、とりあえず休み時間だからとご飯を口にしても、「ちゃんと」休憩ができているわけではないので、身体の機能は戦闘状態のまま。
「敵と戦いながらご飯をかっ込む!」という状態なのです。
そうなると、消化吸収の動きがないただの袋=胃に、仕事のことで気もそぞろによく噛まずに食べた物の固まりがボトッ...ボトッ...と落ちていくだけ。
これでは消化はあまり進まず、胃に負担がかかると思いませんか?
消化だけでなく、排泄の動きも鈍くなります。また、自律神経が乱れる状況が続くと、便秘とお腹を下すことを繰り返すような症状が出ることも。
「飯がまずくなる話」はしない!まずはそこから
お仕事を離れてお家でご飯を食べるときも一緒です。
「家のローンの話」「子どもの受験の話」など...確かに家族として大事な話かもしれませんが、なにか「深刻な考え事」につながるようなお話は「敵が来た!」と身体はみなします。
「飯がまずくなる話をするな!」と、昭和の頑固オヤジが言っていたことは、実に正しいわけです。
食事中の会話は、なるべく気持ちが楽しく、心地良くなるような、リラックスできるような話題を選ぶ。
食べるときは、気持ちを食べ物に集中し、しっかりと噛んで食べる。
「最近胃腸の調子が悪いな〜」と感じたら、油物や刺激物、熱すぎる食べ物を避け、お腹に優しい消化に負担がかからない食材やメニューを選ぶ。
こうしたことを意識するだけで、身体への負担は格段にちがってきます。
仕事中の飲み物は意識をもって選ぶ

働いている人にとって仕事をしている時間は、1日の1/3以上を占めています。その長いお仕事の間に「何を飲むか?」...つまり「胃粘膜にどんな液体を触れさせるか?」というのは、かなり大事なことなのです。
しかし、仕事中の飲み物は「とりあえずコーヒー」という方も多いのではないでしょうか? コーヒーには眠気を覚まし、頭をシャッキリさせてくれる、その香りに癒されリフレッシュする、など良い効果が沢山あります。
でも、何杯も飲んでしまうとカフェインの効果で夜眠りにくくなる、胃粘膜に刺激を与える、血管が収縮して身体を冷やす...など、身体のバランスを崩す原因にもなります。
コーヒーを飲むのは、本当に飲みたい時に、美味しいコーヒーを一杯。
とりあえず、「惰性のコーヒー」はやめてみてください。
ひょっとしたら、コーヒーを選ぶ時に無意識に欲しているのは、温かい飲み物を口にしてホッとする時間かもしれません。じゃあ、代わりに何を?
まず冷たすぎる飲み物や砂糖を大量に含む清涼飲料水は避けて...できれば温かく、ミネラルなども補給できるものを。
そうなると白羽の矢が立つのは、やはりハーブティー。そして、最近流行している「白湯」も良いですね。
ハーブティーはいわゆる「薬草」の効果をお湯に浸出させたものですので、様々な植物のビタミンやミネラルを補給だけでなくさまざまな薬効が期待できます。
カモミールなどを選べば胃粘膜の炎症を優しく癒してくれる働きも期待できますし、ペパーミントは食後のお腹をスッキリとさせてくれます。
白湯は「なにも溶けていないまっさらな液体」ですので、お酒を飲み過ぎた翌日や老廃物を溶かし出して排出したいときにおすすめです。
それから、「ハーブティーはマズい「手に入りにくい」などは一昔前の話。今やコンビニでもハーブティーや白湯を売っている時代です。
各ブランドから出ている多種多様なハーブティーをティーバッグの形で手軽に入手できますので、まずは「アソートパック」でさまざまな味を試してみるとよいでしょう。
ハーブティーの色や香り、温かさもホッと癒される要素となり、自律神経の安定に大きく役立ちます。
ぜひ、自分のお気に入りを仕事場に常備してみてくださいね。
私がディレクションに関わっている渋谷のクイック・リラクゼーションサロン「CHILL SPACE」でも、施術後にはハーブティーをお出ししています。
お仕事の合間に、セラピーとお茶でホッと一息したい方は保健室代わりにいらしてください!
パーソナル・セラピスト。音楽、カルチャー、リラクゼーションを融合する「relacle」「CHILL SPACE」スーパーバイジング・ディレクター。南青山のプライベート・アトリエ「corpo e alma」を中心にセラピー・セッションやセミナー活動を行う。東洋的な押圧とロングストロークやストレッチングを多用し、植物や鉱物の力をフュージョンさせたオリジナルメソッド「VITAL touch therapy」を提唱し、密度の濃い「パーソナル」なスタンスでオーダーメイドの施術を行っている。
約12万人以上を動員する音楽フェスティバルSUMMER SONICで10年連続セラピーブースを展開する他、新宿のシェアオフィス「HAPON」でのオフィスリラクゼーション、アパレルブランド「かぐれ」でのセラピーや講座など他業種とのコラボレーションも多数。現代人が都会でバランスを保ちながら生き抜く知恵やプリミティブな五感を取り戻す方法をさまざまな角度からナビゲートする。