米国では子どもの10~12%が慢性的な肌のトラブルを抱え、湿疹と診断されています。湿疹は皮膚が部分的に炎症を起こした状態で、乾燥し、かゆみを伴います。専門家らは、入浴の頻度を減らし、常に保湿を心がけることが、このタイプの湿疹の予防につながると呼びかけています。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』では、スキンケアの方法次第では、かえって湿疹が起きやすくなる場合があるとして、次のように説明しています。
赤ちゃんの入浴頻度、ベビーウォッシュやシャンプーの成分、そして、入浴後の肌に適度なうるおいを補っているかどうか、などの要因によって湿疹が起きやすくなる場合があることが、最近の研究でわかってきました。研究者によると、多くの赤ちゃんは必要以上に入浴をさせられている可能性があるものの、入浴は週に2、3回程度で十分とのことです。
肌が乾燥し、部分的に炎症を起こしてかゆみを伴うこの症状は、通常、乳幼児期に出始めます。肌には本来、うるおいを保つ一方でアレルギー誘発物質や微生物は寄せつけない能力が備わっていますが、入浴や汚染物質、室内暖房などの環境的要因によって、このはたらきが乱される場合があるとの疑いを、研究者らはますます強めています。皮膚のもっとも外側にある表皮はバリアのはたらきをしますが、これが弱くなると、外界の刺激物が皮膚の中まで入り込み、免疫システムの過剰反応を引き起こすというのです。別の研究からは、一部の湿疹患者には遺伝的変異があって、これが皮膚のバリア機能を損なわせている場合もあると判明しています。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』の記事で紹介されている小規模な研究によると、家系的に湿疹のリスクが高い乳児(研究では生後6カ月まで)であっても、1日に1回保湿してあげれば、保湿剤を使わない乳児に比べて、湿疹の症状が出にくい傾向にあることが判明しているそうです。
というわけで、特に乾燥する冬の間は、湿疹になりやすい子どもの入浴回数を週に3度までにすることを考えてみても良いかもしれません。
Are You Bathing Your Baby Too Much? | The Wall Street Journal via Parents
Melanie Pinola(原文/訳:風見隆/ガリレオ)
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