習うより慣れろという格言もあるように、書けば書くほどうまくなるものです。収入を得るためにブログを書いていようと、書きたいから書いているだけであろうと、執筆習慣を向上させるコツをご紹介しましょう。定期的に書くことは心の健康を保つのに良いことです。しかし、常に締切を守るために残酷なまでに真っ白なページに向かうのは、拷問のようでもあります。「インスピレーションをあてにしているのは素人。プロはとにかく仕事場に現れて仕事を始めるもの」という言葉もありますが、毎日もっと楽に筆を執れるようになるにはどうしたらいいのでしょう。
1. 執筆する場所を確保する

地下鉄に乗っているときでも、列に並んでいるときでも、どこでも創造的になることはできますが、長い目で見てもっと創造性を着実なものにするには、規則正しく執筆するときに使う空間を設けるのが良いでしょう。そうすれば、そこに座るやいなや、精神的に書くモードに入るようになります。ソロー氏をはじめとする数えきれないほどの作家も、特別な場所にこもった方が良い仕事をしています。文章を書いたり創作的なことをしたりする以外は何もしない特別な場所を別途作りましょう。そうすれば創造性が飛躍的に発揮されるかもしれません。
2. 習慣化する

何かに取り組むとき一番難しいのが「始める」ことです。だからこそ、クリエイティブな仕事で成功している人の多くがルーチンの虜になっているのです。作家であり詩人でもあるRobbie Blair氏は「Lit Reactor」にて、執筆の儀式を作ることを提案しています。
私の儀式では、まずお茶を1杯いれて、インストゥルメンタルのサウンドトラック音楽を流し、それから今取り組んでいるプロジェクトをおもむろに取り出します。その頃までには、心地良く脳が書くモードに入っています。
私がお勧めするのは、楽しめることを自分だけの儀式に取り入れていくことです。ほんの少し自分の儀式に投資するだけで、ずいぶん違ってきます。私のように16種類のお茶をそろえる必要はありませんが、私の場合は、新しい香りのお茶を買うと、執筆の儀式を思ってワクワクします。同じように、サウンドトラック音楽にも定期的に投資しています。それでどんどん仕事がはかどるからです。
早起きをして、言葉がスラスラ出てくる魔法のような朝の時間を最大限に活用することを勧める人も多くいます。しかし、今までより早く起きて朝5時に無理やり自分を書くことに追い込むのは、すべての人に適応するやり方ではありません。朝早い時間というのは良いのかもしれません。1日の時間が進むにつれて意志の力が弱まりがちだからです。けれども、夜の方が創造性が高まる人もいます。オフィスアワーの後に書く人、昼休みに書く人、短い時間を見つけて書く人など、書くことに関してはありとあらゆるタイプの人がいるのです。自分の時間の使い方を1週間か2週間たどってみて、自分に一番向いている使い方を見つけましょう。そしてその時間を自分自身とのアポイントメントとしてカレンダー上で確保します。さらに良いのは、座って書き物をした日に印をつけていき、途切れないようにすることです。
書き物用アプリも助けになります。Day One(OS X, iOS)のようなアプリを使うと毎日日記をつけやすくなります。
3. 時間を測って停滞から脱する

一番大変なのが始めることだとしたら、そのハードルをどうやってこえますか? タイマーを使いましょう。台所にあるシンプルなキッチンタイマーです。これが不安を減らし、書くことに向かわせてくれます。タイマーを5分にセットしておきます。ふと気が付くと5分過ぎてもまだ書き続けている自分がいます。
限られた時間内にできるだけ多く書こうと全力疾走をするので、書く作業中は無意識になります。頭に自然と浮かんでくることを何でも書いて、後で編集することを繰り返します。せっかく書くモードに入っているときに調べものをして時間を無駄にしたり、1文ずつ編集したりするのはやめましょう。数段落か数ページを適当に書いてもいいことにしてしまいます。
4. 貪欲に読書する

作家なら、読書に今以上の時間を使うことほど有益な時間の使い方はないでしょう。読む技術を身に着けた読み手として、何でも読むことです。「自分があれを書いていたらなあ」ということが頭に浮かべば浮かぶほど、書くという仕事はうまくいき、何か価値のあるものを作り出そうとする意欲がますます湧くでしょう。絵画、映画、写真など、文芸以外の芸術からもインスピレーションを得られます。積極的に書いていないときは、そういうものを全て吸収しましょう。
5. 仲間の力を借りる

「信頼できる仲間」を持つのは何かを成し遂げるには確かな戦略です。オンラインで文章を書くグループに入ったり、誰かに自分の計画や目標を話したりすることで、あなたの計画を実行していく上で他人が助けになることがあります。屈辱感や孤独感への恐れは芸術活動には伴うもので、作家やその他の芸術家が自然に抱く不安ですが、支援者グループはそれを乗り越える助けになってくれることもあります。オンラインフォーラムや批評サークルはたくさんあり、そういうものを使えば自分の作品の出版に近づけるでしょう。
6. 連続でパスしないルールを作る

スケジュールもたて、アラームもセットして、ルーチン化も完璧です。でもある日それを破り、書きたくない気分になって、結局書かないでしまいます。「書きたい気分ではない」というのは書かない理由にはならないとわかってはいてもです。誰でも何度も挫折はするものです。自分を責めないでください。でも、すべきことを2回続けてパスしないでください。書くことができなかったときに備えた計画を考え、「2回連続でパスしない」というマインドセットを使って軌道に戻ってください。
柔軟に考えることも大切です。執筆スケジュールは変わることもあり得ます。人生のさまざまな出来事がしばしば降りかかり、計画に支障をきたすからです。でも新しいスケジュールを立て直して、今度はそれを守っていきましょう。
Melanie Pinola(原文/春野ユリ)
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