多様性のある会社はより良い成果を上げ、異なるバックグラウンドを持つ人が集まったチームはより革新的で、多文化からなる研究チームは良い仕事をするというのは、誰もが知っていることです。したがって、マサチューセッツ工科大(MIT)が発表した、多様性とビジネスの成果における最近の発見について知っても、そこまで驚くことはないでしょう。
多様性が上がるほど収益も上がる
この実験結果は、ビジネスにおけるもっとも大事な成果であるお金に注目し、多様性があればあるほど利益を追求することに喜びを感じるということが明らかになりました。この調査は、ある大きなサービス会社の、性別が単一のチームと混合チームの2つのデータを、8年にわたり分析しています。男性のみ、もしくは女性のみの職場を、男女混合に切り替えたらどのように成果に影響があるかを調べたところ、多様性により収益が41%も上がったことが分かりました。
驚くほど収益がアップした理由は容易に想像ができます。MITの経済学者であり、この研究の共同執筆者であるSara Ellisonさんは、このようにコメントしています。
社員が多様になればなるほど、それだけ社員の持つ能力も多様になるということで、結果的に会社がより良く機能することになります。
社員は多様性のある環境が好きなのか?
この最新のデータには、会社経営者が人事採用で多様性を意識し、チーム内に異分子が増えるようにした方がいい、もう1つの大きな理由があります。かなり異なるタイプの人を同じチームで働くようにしたら、収益は上がるかもしれませんが、それで社員が幸せになるとは限りません。
というのも、研究によって、共通点の多いチームはより仲が良く、より信頼し合い、協力し合って、楽しくやっていることも分かりました。Ellisonさんは、野球に例えてこのように言っています。
キャッチャーばかりの野球チームは、団結力は強くなるかもしれませんが、試合では良い結果を残せないでしょう。
結局、Ellisonさんはこのように結論付けています。
人は、実際に多様な職場が好きだというより、多様性のある職場という考え方が好きだということです。
つまり、会社に多様性を持たせるというのは良い考えですが、多少抵抗があるのは覚悟した方がいいでしょう。
Study: Diverse Teams Are More Successful, but Less Happy|Inc.
Jessica Stillman(訳:的野裕子)
Photo by Shutterstock.