ライフハッカー編集部さま

Yosemiteが一般公開されましたね。いくつか素晴らしい新機能があるようですが、OSのアップグレードは不安がつきもの。アップグレードして悪くなることもあります。編集部のみなさんはもう試されましたか? Yosemiteにアップグレードすべきでしょうか、それとも少し待つべきでしょうか...。

Yosemite Samより

Yosemite Samさん、こんにちは。

Yosemiteは、今までで一番驚きのないOS Xアップグレードです。でも、それは悪いことではありません。

アップルはかなり前にYosemiteのすべての新機能を公表、と同時にプレリリース版を公開して、ユーザーからのフィードバックを募ってきました。何千というMacユーザーが数ヶ月間にわたりYosemiteをテストし、その声を元に改善を重ね正式リリースに至りました。ですので、ご安心を。対応が遅れているいくつかのサードパーティ・アプリを除けは、あなたが使っているほとんどのアプリは問題なく動作するはずです。

とはいえ、OS Xが無料になってから品質基準が落ちたのは否めません。実際、Mavericksはリリース当初、かなりの問題を抱えていました。「まあ、無料だし」ということで、ユーザーも大目に見てきたわけです。無料だからといって飛びつくと、時間とエネルギーを浪費してしまいます。とはいうものの、Yosemiteは、ほとんどのユーザーにとって問題のないアップグレードです。以下、詳しく見ていきます。

いますぐアップグレードすべきなのは誰?

20141017-yosemite02.jpg

結論からハッキリ言いましょう。ほとんどのMacユーザーは迷わずYosemiteにアップグレードすべきです。過去2〜3年に発売されたMacを使っているなら、まず問題はありません。アップグレード方法も簡単でスムーズ、App Storeから5GBのファイルをダウンロードするだけです。私の場合、インストールは30分ほどで完了しました。少し古いMacなのですが、それでもそれぐらいです。

あなたがアップルのファンで、iOS 8対応のiPhoneやiPadを持っているなら、絶対にアップグレードすべきです。Yosemiteのクールな新機能の多くは、iOSデバイスとMacの連携に関するものです。とくに、「Handoff」や「電話」、「iCloud Drive」などの機能はかなり便利です。また、新しい「Safari」は、より高速で動きもなめらか、iOSデバイスで開いているページをMacでも参照できるようになりました。この機能は、Chrome SyncやFirefox Syncを使ったことがない人には新鮮なはず。もっとも、こうした連携機能を活用するのには、いくつかの条件をクリアする必要があります。まず、あなたのMacがYosemiteのシステム条件を満たしていること(幸いMavericksと同じ)、さらにモバイルデバイスがiOS 8をサポートしていること、そして、Mac、モバイルのどちらもBluetooth 4 LEに対応(Handoff、電話、Instant Hotspotなどの機能に必要)していることが求められます。

アップルの標準アプリ(メール、Safari、通知センターなど)を愛用している人も、今すぐアップグレードすべきでしょう。通知センターはようやく本当に使えるものになった感があります。メールアプリもかなり良くなり、高速化しています。Safariも、まだChromeやFirefoxには及ばないまでも、見た目もスッキリし、かなり良くなっています。まとめると、あなたがアップルのファンで、最新のデバイスを使っているなら、迷わずYosemiteにアップグレードしてください

しばらく待ったほうがいい人とは?

20141017-yosemite03.jpg

あなたのお気に入りのアプリやツールが、Yosemiteにまだ対応していないなら、しばらく待つほうがいいでしょう。米LHで試した範囲では大きな問題は見つかりませんでしたが、アプリによっては不具合が出るようで、すでに多くのデベロッパーが修正版をリリースしています。

また、いくつかの人気アプリ(ChromeやFirefoxを含む)は、Mavericksに比べてメモリやCPUをたくさん消費するようです。ほかのアプリでも、細かい機能が動かなかったり、アップデートが必要だったりします。例えば、『Airmail』はYosemiteでもスムーズに動作しますが、なぜかグローバル検索機能が動かなくなりました。ネットで調べたところ、多くのユーザーが同じ問題を訴えています。幸い、Airmailチームはすでにこの問題の解決に動き出しているそうです。

上の画像はYosemiteにおけるChromeの問題点をはっきりと表しています。Chromeは、拡張機能やflashのためにhelperプロセスを起動します。Yosemiteはは、どういうわけか、Chromeがhelperプロセスを監視するのを妨害します。そのせいで、アクティビティ・モニタにNot Responding(応答なし)と表示されてしまうのです。この件に関して、Googleはアップル側の問題だと言うでしょうし、アップルはGoogle側が対応すべきだと言うでしょう。もちろん最後には、どちらかが(おそらくGoogleが)折れてアップデート版をリリースし、問題は解決されるでしょう。

また、一部のユーザーはアップグレードしたら遅くなったと不満を漏らしています。これは、Yosemiteで採用された、輝く(それだけ高いグラフィック性能を要求する)半透明のウィンドウや、さまざまなエフェクトのせいでしょう。古いMacでは、画面が固まってしまうかもしれません。私のケースでは、クイックルックや、壁紙の回転で、動作が遅くなったと感じました。また、ときどきセカンドモニターがわけもなくブロックノイズでいっぱいになります。もっとも、たまにしか起きないし、あくまで私個人の体験ですが、ネットで調べたところ、同じ問題を訴えている人が他にもいました。幸い、これらは簡単に治る不具合ですし、すぐに改善されるでしょう。とはいえ、古いMacやシステム条件ぎりぎりのMacを使っている人は、しばらく様子を見るか、バージョン10.10.1のリリースまで待つことをお勧めします。

アップグレードすべきでない人

20141017-yosemite04.jpg

わずかながら、Yosemiteにアップグレードすべきでない人たちもいます。Mavericksより前のOS Xを使っていてそれに満足している人や、手持ちのMacがYosemiteのシステム条件を満たしてない人です(どのみちアップグレードできませんが)。また、5〜6年前に発売された古いMacを使っている人も、アップグレードボタンを押す前によく考えたほうがいいでしょう。

Yosemiteではインターフェースとグラフィックがかなり改良されていますが、なめらかで美しいグラフィックを楽しむには、高いシステム条件が要求されます。アルミキーボードのMacbookProや、背面がプラスティックのiMacを使っている人には、アップグレードはあまりお勧めできません。

結論:基本的にアップグレードしてOK。アップルファンで比較的新しいハードウェアの持ち主は迷わずGO!

20141017-yosemite05.jpg

結論を言えば、Yosemiteは安全なアップグレードです。中にはスピードが遅くなったと感じる人もいるでしょう(とくに古いハードウェアでは)。しかし、この問題はいずれアップルやデベロッパーが解決してくれるはず。Macが遅くなるのが心配な人は、クリーンインストールをお勧めします。こうした問題を除けば、Yosemiteは高速で、とくに問題のないOSと言えます。

大勢の人がプレリリース版をテストしているので、大きな問題はなくなっているはず。私の友人やTwitterのフォロワーに尋ねたところ、みんなYosemiteを肯定的に評価していました。若干の不具合とサードパーティアプリの対応遅れがあるとはいえ、一般的な意見は、Yosemiteは信頼できる、進化的な(革新的な、ではなく)アップグレードだというものです。とくに、アップルファンで比較的新しいハードウェアを持っている人は迷う必要はありません。では、クロスプラットフォーム愛用者で、Macに別のOSをインストールしてデュアルブートしている人は? もちろん大丈夫です。ただし、事は慎重に。アップグレードする前にすべてのデータをバックアップしておきましょう。

Alan Henry(原文/訳:伊藤貴之)

Title photo by Tina Mailhot-Roberge. Additional photos by Kevin Ballard and Masus65.