セキュリティに重大な脆弱性が発見されたときなど、Androidをすぐにアップデートしたいと思ったことはありませんか? 最新版が出たと発表されても、各機種に対応するアップデートパッケージを通信会社が提供することになっているので、しばらく待たされてしまいますよね。今回は、Androidのアップデートパッケージを手動で実行し、少し早く最新版を利用する方法をご紹介します。
以下、Nexusでの手順になりますが、信頼できるソースから手持ちの機種向けのパッケージを入手でき、ユーザーによるアップデートが許可されている端末なら実行可能です。
事前準備
手動でアップデートするには、いくつか特別なツールが必要です。難しい操作は必要ありませんが、コマンドライン操作に抵抗があるなら、素直に待ったほうがいいでしょう。必要な準備は次の通りです。
- PCにAndroid SDKをインストール:「adb」「fastboot」コマンドを使用できるようにします。
- アップデートパッケージをダウンロード:更新用のファイルで、通常はZIP形式です。
- USBケーブル:PCとAndroid端末を接続するために必要です。
- Android端末をリカバリーモードで起動する方法を確認:電源オフの状態でボリュームダウンボタンと電源ボタンを同時に押します。機種によってはキーの組み合わせが違う場合があるので、確認しておくべきです。
root化や、ブートローダーのアンロックは必要ありません(カスタムROMやファクトリーイメージを書き込みたい場合は、問題が生じる可能性があります)。
アップデートパッケージはどこにある?
各機種用のパッケージを見つけたユーザーが、リンクを公開してくれたり、別のサーバーからダウンロードできるようにしてくれています。アップデートを見つけられる可能性のある場所をいくつか挙げておきましょう。ただし、信頼できないソースからはダウンロードしないでください。
- Android関連の定評あるニュースサイト:新しいアップデートが出るたびに、「Android Police」などのサイトが、さまざまな機種向けのパッケージへのリンク集を作ってくれます。たとえば、このページには、メディアプレーヤー『Stagefright』の脆弱性に対応するために発表されたパッケージへのリンクが、機種ごとに集められています。
- Android関連の掲示板:「XDAフォーラム」を"OTA"で検索すると、手持ちの機種向けのパッケージへのリンクが見つかるかもしれません。
- SNSなどのAndroid関連コミュニティ:「Google+」や「Kinja」には、Android関連のコミュニティがあるので、教えてもらうのも手です
いざ、手動インストール
機種によって使用するボタンがちがう場合があるため、実行前に「Nexusヘルプ」などでも手順を確認しておいてください。
- Android端末の電源を切ります。
- ボリュームダウンボタンを長押ししたまま電源ボタンを押し、再起動します。
- ボリュームダウンボタンを何度か押して、画面上で「Recovery mode」を選択します。電源ボタンを押すと、リカバリーモードに入ります。
- ドロイド君が表示されます。ボリュームダウンボタンと電源ボタンを同時に押すと、リカバリーメニューが表示されます。
- 「apply update from ADB」を選択します。
- Android端末をUSBケーブルでPCにつなぎます。
- OTAアップデートを保存したのと同じフォルダで、コマンドウィンドウを開きます(Windowsでは、右クリックメニューから「コマンドウィンドウをここで開く」を選択します)。
- 「adb sideload "OTAアップデートのファイル名"」と入力します。"OTAアップデートのファイル名"の部分は、あらかじめダウンロードしておいたOTAアップデートファイルのフルパスに書き換えてください。打ち間違いのないように。
- プログレスバーが100%まで進むのを待ちます。終わったらAndroid端末を再起動します。
これで完了。Android端末を手動でアップデートができるはずです。アプリや各種設定が削除・変更されることはありません。
Eric Ravenscraft(原文/訳:江藤千夏/ガリレオ)
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