筆者のKevan Lee氏は、米Buffer社で情報キュレーションの仕事をしています。そんな彼が大切にしているのは、サイドプロジェクト(本業ではない個人的な活動)を持つこと。本業以外の活動に打ち込むことで得られるプラスの効果は非常に大きいそうです。

私はいつでもサイドプロジェクトを本職と並行して行っています。新しいブログや本の執筆、ニュースレターであることが多いのですが、時にはWordPressテーマのデザインをしたり、写真撮影に手を出してみることもあります。そして、サイドプロジェクトは、自分の人生で今まで手付かずだった分野を改善してくれるうれしい側面もあるのです。

この新しいプロジェクトと新しい改善点に関する精神は、私のチーム全体に浸透しています。私たちはサイドプロジェクトと趣味を通じて成長し、それを応用し、改善する方法を探すことが好きなのです。サイドプロジェクトがきっかけになって生まれた『Uber』や『Gmail』のような、数百万ドル、数百万ユーザー規模にもなるサービスの立ち上げには至っていません。ですが、サイドプロジェクトやクリエイティブな趣味にかけた時間の価値を実感するのに、数百万ドル規模の会社をつくる必要はそもそもありません。

本業ではないプロジェクトに時間を費やすことで、もっと幸せで、健康的で、生産的になれるのです。

サイドプロジェクトの心理学

Googleが、かの有名な「20%ルール(従業員が就業時間の2割を楽しく熱中できるサイドプロジェクトに費やしてもいいというルール)」を開始した時、残りの80%の就業時間がより生産的でクリエイティブなものになるという結果が出ました。サイドプロジェクトが業務のパフォーマンスを引き上げたのです。

サンフランシスコ州立大学の心理学教授であるKevin Eschleman博士とそのチームは、400名の従業員に対するクリエイティブな趣味の効果に関して調査しました。調査結果では「従業員に仕事モードからリフレッシュするために、クリエイティブな活動を奨励することで、組織自体にも恩恵がある」とわかったそうです。

また、課外活動と趣味は、心理学的にも重要な機能を果たします。Eschleman博士は、自身の論文でその詳細を説明しています。

社内でクリエイティブなサイドプロジェクトを奨励することで、従業員の気分をリフレッシュさせることができます。

クリエイティブな活動を通して、高い自由度やスキルの向上を経験できることが多く、本業の仕事で何か新しい発見をする機会をもたらします。これは、企業にとってもプラスになることです。

「リフレッシュした感」こそ、サイドプロジェクトや趣味がもたらす、心理学的に重要な効果です。「ヨーロッパ産業組織心理学会」の論文にも次のように書かれています。

心理学的観点から言うと、自分のスキルを使って、サイドプロジェクトに挑戦することは有益なことです。サイドプロジェクトから得られた満足感は精神衛生の面でもプラスの効果があります。しかしながら、私たちの社会では、仕事以外の活動をするのは「仕事からの逃避」と思われます。

これはつまり、余暇の時間は、サイドプロジェクトのような「積極的で自分の成長に繋がるような活動」ではなく、リラックスして日々の疲れを癒せるような「受け身的な時間の過ごし方をするのが当然だ」と思われているからです。多くの人は「受け身的に過ごすのは退屈な人生を送るようなものだ」と理解しているのにも関わらず、です。

ボストンカレッジで社会学の教授を務めるJuliet Schor博士は、この現象を「work-spend-work-spend mentality (働いては消費、働いては消費するメンタリティ)」と呼んでいます。

もっと多く消費するために一生懸命働き、もっと消費すればするほどさらに働く

しかし、サイドプロジェクトや趣味を持てば、このサイクルを断ち、余暇をより充実したものにしてくれます。

サイドプロジェクトをする上で守りたい3つの特徴

サイドプロジェクトが本業と違うのはわかります。しかし、一体どう違うのでしょう? ウェブサイトを構築するのがある人の本業かもしれませんが、他の人にとってはサイドプロジェクトです。ピアノ演奏が私のキャリアだとしでも、他の人にとってはクリエイティブな趣味になるでしょう。

米ニュースサイト「Medium」によると、サイドプロジェクトには「3つの特徴」が当てはまるとしています。

1. お金を稼がなくてもいい。失敗しても食べていける状態ということです。

2. 締め切りがない。時間的なプレッシャーがないため、新しいことを試すリスクが取れます。

3. 奉仕活動的である。好きなことに対して労働力を提供するので、時間を費やす理由は、本当にそれがやりたいからなのです。プロジェクトがあなたを呼び、前進させてくれます。

この3つがあてはまる活動を、ビジネスの世界で見つけることは難しいのです。

サイドプロジェクト、クリエイティブな趣味、その両方?

「サイドプロジェクト」と「クリエイティブな趣味」の違いは以下のとおりです。

・サイドプロジェクトには、プロジェクトの完成という(最終的な)結果があります。

・クリエイティブな趣味は、長期にわたるものです。

例を挙げましょう。音楽家はサイドプロジェクトに取り組みます。このプロジェクトは新しい楽器、新しい音、新しいテクノロジーといった、新しいクリエイティブな趣味を実験した結果であることも多いのです。つまり、趣味がプロジェクトにつながっていくのです。

私にとって、クリエイティブなライティングはものすごく楽しい趣味です。いつかこの趣味を、著書を書くというサイドプロジェクトにしようと思っています。プロジェクトと趣味の双方を選ぶこともできます。またその双方を同時に手がけることもできますし、あなたがものすごく興味を持っていることで、もっと学びたいと思っていることを選ぶのも良いでしょう。

サイドプロジェクトや趣味は、自分が上手であるものでなくてもいいのです。あなたの興味を引くもの、満足させてくれるもの、興奮させてくれるものといった、自分の守備範囲の外にあるどんなことでもいいのです。以下に紹介するのは、そんな新しい活動を見つけるアイデアの一例です。

・絵の描き方を学ぶ

・プログラミングを学ぶ

・オンラインで何かを販売する

・本を書く

・ブログを始める

・レッスンを受ける

・授業を聴講する

・ボランティア活動をする

上のリストに付け加えるアイデアはありませんか? 自分の本業に似通ったものなら、現在の雇用契約に抵触しないことや現在携わっている仕事に競合しないことを確認してください。

サイドプロジェクトを積極的に続けるコツ

せっかく始めたプロジェクトや趣味も、続かなくては意味がありません。以下に紹介するのは、そんな趣味やプロジェクトを続けるためのアイデアです。

有意義な目標を設定する

クリエイティブな趣味を続ける最大の障害は、そのための時間を見つけることです。「時間を見つけられるかどうか」は、「有意義な目標があるかどうか」によります。つまり、優先順位をつけるに値するほどの目標かどうか、ということです。

結果ではなく、今やっていることに集中する

手持ちの課題に意識を集中させましょう。サイドプロジェクトは低プレッシャーであるべきであり、プロジェクトに携わっているのはそのプロジェクトが大好きだからやっているのであって、何かを作り出す必要があるからではないのです。

プロジェクトを細分化する

これは、サイドプロジェクトだけでなく、本業の仕事にも言えることですが、プロジェクトや目標を細分化することで前進しやすくなります。

自分の興味を組み合わせる

ひとつのプロジェクトや趣味を継続するのが難しい場合には、自分が慣れ親しんでいる分野に絞るのがオススメです。文章を書くのが好きなら、デザインやプログラミングを学ぶといった全く新しい分野に挑戦するのではなく、新しい表現方法などを試してみましょう。

サイドプロジェクトや趣味を持つことで、心理的にプラスの効果があり、本業の生産性も高まります。あなたにとって「これさえしていれば幸せに浸れること」はないか、今一度考えてみてください。

The Science of Side Projects: How Creative Hobbies Improve Our Performance at Everything|Buffer

Kevan Lee(原文/訳:Conyac

Photo by Shutterstock.

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