誰もが新しい言語を習得したいと思っています。しかし、それに要する時間と労力を考えるとゲンナリ...。でも、思い出してください。以前、「わずか数ヶ月で4ヶ国語を習得」したガブリエル・ワイナー氏を紹介しましたね。そんなワイナー氏が、メソッドを改良したとのこと。新しいメソッドは、より速く学べて、より忘れにくくなるそうです。今回の改良のポイントは、学んだことをより長く記憶できるようにすること。前回紹介したメソッドでは、「発音する」ことに重点を置いていました。新しいメソッドでは、最初に、ネイティブ・スピーカーの発音をよく「聴く」ことを勧めています。「音を聴いたことがないのに、tyúk(ハンガリー語で鶏)という単語を記憶できますか? ましてや声に出して繰り返し練習するなんてことが」とガブリエル氏。
次のステージでは、フラッシュカードを作って、スペルと発音、基本単語の意味を学びます。Google画像検索を使って、単語と意味を視覚的に結びつけてください。また、ガブリエル氏は、文法的な性がある単語を覚えるコツも紹介しています。
文法的な性がある言語を学んだことがあれば、「椅子」という単語が男性名詞なのか女性名詞なのか、中性名詞なのかを覚えるのが、どれほど苦痛か知っているはず。もっとも、ある程度のヒントをくれる言語もあります。例えば、男性名詞は大抵「o」で終わるなど。しかし、いつもその通りとは限りません。ではどうすれば?
文法的な性のような抽象的な情報を、単語に結びつける良い方法があります。視覚的な記憶術を使うのです。例えば、男性名詞は、燃え上がって炎になるところをイメージします。女性名詞は、溶けて水になるのをイメージします。中性名詞はガラスの破片みたいに粉々にします。この記憶術を使えば、単語の性が簡単に記憶できます。
ステージ3は文法の学習です。文法を学ぶときも、視覚的なアプローチを使って、記憶を長く保持できるようにします。
最後のステージは、柔軟性が要求されます。既知の語彙で言いたいことを表現する訓練です。つまり、「流暢」に話すこと。ガブリエル氏は、流暢さとは、ネイティブのように話すことではないと言います。
流暢に話すために、すべての単語と文法を理解している必要はありません。知っている単語と文法を使って、頭にあることを表現するのです。例えば、頭が痛くて「頭痛薬」が欲しいとしましょう。薬局で、「頭痛薬をください」言いたいけど、「頭痛薬」という単語がわからないなら、「頭の痛みをとるために飲むものをください」、と尋ねてみましょう。「鼻炎薬」なら「鼻水が止まる薬」と表現できます。特定の言葉が分からなくても、知っている言葉で説明できる能力こそが「流暢さ」なのです。知らない単語があっても、その周りを巧みにダンスすることで、流暢に話すことができます。
下のリンクからティム・フェリス氏のブログに飛べば、ガブリエル氏のメソッドの詳細(英文)が読めるので、興味があればぜひ読んでみてください。
How to Learn Any Language in Record Time and Never Forget It|The Blog of Tim Ferriss
Mark Wilson(原文/訳:伊藤貴之)
Photo by Shutterstock.