都会はとても混雑し大気汚染も進んでいます。そして世界中のどんな人工の環境よりもストレスが多いところです。しかし、いっぽうで賢い人たちが住みたいところでもあるようです。

アメリカ人の移住行動についての新しい調査で、知能指数の高い人ほど都会への出入りが多いとの結果が発表されました。そのような人の中でも、田舎出身の人がもっとも高い知能指数を示しているとのことです。この研究成果はオンラインで閲覧することができ、The Journal Intelligenceの9・10月号でも発表されます。ヘルシンキ大学の心理学者Markus Jokela氏は、1979年から16年の間、15歳から23歳までの11500人のアメリカ人の移住行動を研究しました。Jokela氏によると田舎や近郊都市から中央都市へ移動した人は、移動しなかった人やその他のパターンの移動をした人と比べると高い知能指数を持っているそうです。それほど多くはないですが、中央都市に移住した人の中には、そこからを離れて郊外都市へ移動する傾向もあるとのことでした。

この研究内容自体はそれほど革新的なものではなく、「若い賢い人たちは都会に集まり、高い教育と高い給与の仕事を求めて中央都市に移住し、家族を育むために近郊都市に移動する」と長い間考えられてきました。しかし、Jokela氏の発表内容でもっとも驚くべき点はその数値にあります。田舎にとどまった人と都会へ移住した人たちの平均知能指数の差は12もあるとのことです。Jokela氏が社会経済的状況で見た時には、その差は4点でした。知能の高さが人がどこに住むべきかを決定する重要な鍵を持っているということです。「私たちの社会経済的状況と合わせて観察した一部の人の移住行動には、知能指数の違いからくる心理学的な影響があるということです」とJokela氏はCibyLabで語っています。

一方で、この研究結果は注意深く読まなければなりません。Jokela氏の分析は知能指数と移動様式には関連性があるとの主張ですが、知能の高さが移住についての個人的な判断に影響を与えているとは断定できません。この研究データは1996年で終了しているため、アメリカ人の移住様式はその後の20年間で変化している可能性もあります。

この結果から私たちが学べることは、賢い人は移住することをいつも選択肢として持っているということでしょう。もしあなたが都会に住んでいて、今まで聞いたことのない名前の田舎町出身の方が隣に住んでいるのなら、話しかけてみてください。彼らが緑の多い郊外に移動してしまう前に、何か学べるものがあるかもしれませんよ。

Smarter People Are More Likely To Move To Cities|Popular Science

Neel V. Patel(訳:Conyac

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