共感は人間の自然な反応で、毎日何かしら経験している感情です。ただし、共感が良い方に転べばいいですが、そうではないこともあります。今週Facebookは、ニュースフィードに異なるタイプの情報を流したら、ソーシャルネットワークのユーザーがどのような反応をするかという研究を公開しました。この驚くべき事実に対する否定的なリアクションはかなりたくさんありました。この実験には、Facebookからフィードを操作すると伝えられないまま、689,003人ものユーザーが巻き込まれていたからです。(もちろんサービス利用規約で同意してはいますが)人間の感情について調査するために、Facebookはポジティブな投稿を削除し、ユーザーのニュースフィードにネガティブな投稿をし、どのように反応するかを調べました。この実験に関しては議論の余地があると思いますが、実験の結果には見るべきものがあります。
Facebookは、ユーザーのニュースフィードのコンテンツに手を加え、操作した投稿の後にどのような投稿が続くかを監視し、ポジティブとネガティブそれぞれのコンテンツに対する効果を測定しました。すると、操作された投稿は実際にユーザーの感情に影響を及ぼすことが分かりました。
ポジテイブな表現の投稿が減ると、ポジティブな投稿をする人が少なくなり、ネガティブな投稿をする人が増えます。ネガティブな表現の投稿が減ると、反対のことが起こります。この結果は、Facebook上にある他人の感情に自分の感情も影響を受けていることを示しており、ソーシャルネットワークを通して人の感情は大きな影響を受けている、という実験的証拠でもあります。
とにもかくにも、今後は自分のニュースフィードに流れてくる情報を見る時や、自分が投稿する時は、その投稿が他人にどう影響するか気に留めておきたいものです。
Experimental evidence of massive-scale emotional contagion through social networks|PNAS via AV Club.
Mark Wilson(原文/訳:的野裕子)
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