ビデオゲームは時に、攻撃的行動の引き金になるという、いわれのない非難を受けることがあります(その相関関係については、控えめに言っても「まだ論争中」です)。最新の研究によると、そうした攻撃性を引き出しているのはゲームの暴力的要素ではなく、繰り返し負けることで、フラストレーションが生じたり自尊心が脅かされたりするせいだという可能性が示唆されています。
『Journal of Personality and Social Psychology(人格・社会心理学ジャーナル)』に掲載された研究結果によれば、プレイ中のゲームのタイプやジャンルに関係なく、ミスを多くしたり、難題を出されてフラストレーションを感じたりすればするほど、ゲーマーの攻撃性が高くなることがわかりました。さらに重要なのは、そうした反応がゲームだけで生じるものではなく、スポーツをはじめ、その人のスキルを試すような競争的側面を持つあらゆるタスクで頻繁に見られるという点です。
例えば、スポーツでは誤審のせいでプレイヤーが試合に負けることもありえます。研究を実施した心理学者のRichard Ryan氏は、「試合の結果を自分でコントロールできないと感じると、攻撃性が生まれるのです」と述べています。
「私たちの実験でも、その傾向が確認されました。能力に大きな負荷がかかると攻撃性が高まるのです。ゲームの内容が暴力的かどうかにかかわらず、結果は同じでした」
問題の原因を突き止めたところで、それを解決できるとは限りませんが、解決策が見つかりやすくなるのは確かです。ビデオゲームで銃を撃つと攻撃的な人間になるなんて、あまり信じたくはありませんが、過度なフラストレーションを感じた時には、ちょっとゲームを中断してみると、怒りを鎮める効果があるかもしれません。健全な感情を保つ上でカギとなるのが「自信」です。なかなかクリアできないゲームにどっぷりはまり込んで心をすり減らすのはやめて、ちょっとだけゲームから離れて自分を取り戻してみましょう。何か別のことをして自信を取り戻し、もっと良い状態になってから、改めてチャレンジすれば良いのです。
Video Game Frustration, Not Content, Fosters Aggression|Psych Central
Eric Ravenscraft(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)
Photo by JD Hancock.