いつも何かを先延ばしにしてしまう性格なら、親を責めるべきかもしれません。心理学誌『Psychological Science』で発表された新しい研究によると、先延ばしの癖は遺伝的につながりがあるのだそうです。しかも、衝動的な性質にも関係しているそうなのです。
米コロラド州立大学ボルダー校の研究者が、181組の一卵性双生児と166組の二卵性双生児を対象に、目標を設定し達成するために努力する能力と、先延ばしにしたり衝動的な行動を起こす傾向があるかどうかを調べました。
この研究によって、先延ばしの性質は衝動性から派生していることが分かりました。私たちの先祖は生き残るために衝動性を頼りにしてきました。長期的な目標を目指すようになってから、物事を先延ばしする傾向が現れて来たということでしょう。しかし、残念ながら人間はいまだに衝動的な傾向があり、どのようにすれば衝動を抑えられるか分かっていません。
この発見を基に、研究者は人間が目標を先延ばしせず、衝動的な決定を下さないようにする方法を追求する予定とのこと。今のところ明らかなのは、先延ばしと衝動性は同じ根を持つ性質ということ。また、普段先延ばしする傾向がある人は、衝動的な行動(深く考えずに買い物をしてしまう等)にも気をつけたほうがいいかもしれません。
Jill Krasny(原文/訳:的野裕子)
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