三重県伊勢市にある伊勢神宮は、20年に1度の大祭「式年遷宮」を終えて、参拝客で非常に賑わっています。まだ、お参りしたことがないという方は、この機会に訪れてはいかがでしょうか。
さて、参拝後の楽しみといえば、内宮の門前町である「おはらい町」の散策です。ここでは、松阪牛や伊勢エビ、伊勢うどんなど、名物でおなかを満たせますが、この土地ならではの物を売るお土産さんも軒を連ねています。
あまり知られていませんが、伊勢には「名物餅」がたくさんあり、お土産にもぴったりです。ただ、おはらい町を散策するとわかりますが、多くの餅屋さんがあり、はじめてだとどれを買えば良いか悩むはずです。そこで、地元出身の私がおいしくて、話にネタにもなるオススメ餅を紹介します。
1.太閤出世餅
秀吉がお伊勢さん参詣時に献じた際に「美味也」と賞賛した、秀吉ゆかりの縁起餅。保存料などを使わず、小豆と米のシンプルな旨味の焼き餅です。私は、数ある餅の中でも出世餅が一番好きです。太閤出世餅は、歴史と名前も面白いので、お土産にすれば話のネタになるはずです。購入は、宇治橋近くにある「太閤餅本店」にて。
2.神代餅
小豆ともち米を使うものが多い中で、天然よもぎ使った草餅の「神代餅」は珍しい存在です。こちらも添加物を一切使っておらず、天然よもぎの風味が楽しめます。また、昭和50年には皇太子殿下献上されたこともあるのだとか。食べやすい一口サイズのお餅です。神代餅を売る勢乃國屋本店は、太閤餅本店の近くにあるので、あわせて買うと効率がよいでしょう。
3.赤福餅
ベタなチョイスですが、これは外せません。赤福餅は駅の売店などでも買えますが、ぜひ、作りたての赤福餅が買える本店で購入してください。あなたが持っている赤福餅の印象が変わるはずです。時間に余裕があるならば、本店の店内で、五十鈴川を眺めながら、熱いお茶と共にいただけば、すばらしい時間が過ごせるはずです。
また、毎月1日に販売される「一日餅」の購入を狙って、赤福本店に行ってみるのもよいかもしれません。ただし、Apple Storeばりに早朝から並ぶ必要があるので、気合いを入れて行ってください。
番外編:虎屋ういろ
紹介してきた餅に比べて歴史はありませんが、伊勢のういろは特徴的です。原材料に小麦粉を使っており、たとえば近隣の名古屋ういろよりはかための食感です。でも私は、ういろといえば、この虎屋ういろです。
定番の「栗ういろ」か「小倉ういろ」がオススメです。また、季節ごとの限定ういろも販売しています。私は、今回「伊勢茶栗」を購入して、おいしくいただきました。お店を訪れた際に、ピンと来るものがあれば、購入してみるのはよいかもしれません。
最後に、買い方指南です
今回は、順位を付けて紹介しましたが、いずれの餅もオススメです。ただ、賞味期限を鑑みると、すべて買って帰っておいしくいただくには、少量のパッケージがオススメです。太閤出世餅であれば8個入り、神代餅は6個入り、赤福餅は2個入りから販売されています。ただし、虎屋ういろだけは一本売りで日持ちがしないので、家路の最中にでもかぶりついてください(笑)。
(傍島康雄)