大人の行動の多くが、子どものころの体験によって形作られています。お金の管理もしかり。子どものころに繰り返し聞かされた「お金に対する考え方」が、大人としての金融行動に影響しているのです。金融心理学者のブラッド・クロンツ氏によると、「お金に対する考え方」には4つのタイプがあります。アメリカの地方紙「Dallas Morning News」が、その4つのイメージをまとめました。

  • お金は嫌い主義:「この考え方を持っている人は、お金は悪だと考えています。金持ちは欲深い人たちなので、お金を持つ資格がないと信じています」
  • お金がすべて主義:「この考え方を持っている人は、お金があればすべての問題が解決すると信じています。お金は力と幸せを運んでくれるもので、いくらあっても足りることはないと考えています」
  • ステータス主義:「この考え方を持っている人は、お金によってもたらされる新しくていいものを所有することでステータスが手に入ると考えています」
  • お金には用心深い主義:「この考え方を持っている人は、質素倹約を旨とし、節約を重視する人々です。所持金や所得をあまり語りたがりません」

クロンツ氏によると、財政難に陥ったら、自分の考え方が何かを知るのがいいそうです。その考え方が、問題の原因である可能性が高いのです。

「(上記)4つの考え方が複数当てはまる人もいますが、大抵の場合、どれか1つの考え方が際立ってよく当てはまるはずです」

たとえば、あなたの考え方が「お金は嫌い主義」の場合、賃上げを要求しないことでお金を稼ぐポテンシャルを逃してしまったり、予算を考えずにお金を使ってしまうことがあるかもしれません。そんなあなたにとっては、家計管理が問題になりそうです。

一方で、お金に用心深いのはいいことかもしれませんが、それが欠点になる場合もあります。節約は素晴らしいことですが、それに固執しすぎると、あなたは欲深い人物になりかねないのです。

ファイナンシャルプランナーのトム・マーフィー氏は、どの考え方にも、本質的に悪いことは何もないと言います。問題は、放っておくとコントロール不能になること。

「度が過ぎると、目標達成が遠ざかってしまうこともあります。大切なのはバランスなのです」

お金の問題を抱えていなくとも、どの考え方が自分の金銭的な行動に影響を与えているかを知るのは興味深いものです。4つの考え方についてもっと知りたい方は、英文リンクですが下記のリンクから記事全体を参照してみてください。

How your 'money script' can affect your finances | Dallas Morning News

Kristin Wong(原文/訳:堀込泰三)

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