「シンプル」と「高品質」は、両立するわけですね。

ユーザーの目に見える部分での「スマホのスペック進化」は、一時期に比べると、落ち着いてきたように思えます。とはいえ、新しい機種が出ると、ついつい目が行ってしまうのも事実です。

「新しいハイスペックなスマホに替えても、結局やることはGmailとブラウザとFacebookとTwitterとカメラでしょ!」という心の声が聞こえることもありますが、"新機種=前よりハイスペックで高価な機種"であり、他の選択肢はほとんどありませんでした。しかしここへ来てもう1つ、「GmailとブラウザとFacebookとTwitterをやるくらいでちょうどいい、低価格のSIMフリースマホ」を選ぶ、という選択肢が登場。しかも、それで通信費がお安くなる、というのです。

常に時代の最適解を求め続けるライフハッカーとして、「"これで充分"なSIMフリースマホ」である「freetel」を紹介したいと思います。

■LTEルーターと考えると、"これで充分"な機能

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「freetel」(税込1万2800円)は、Android4.1.2を搭載した、れっきとしたスマホ。スペックを見ると、個人的に以前使っていたHTC Desireと近しいスペックと思われます。「通信するだけ」「メールを見るだけ」「通話をするだけ」といった基本機能の使用であれば充分。

また、Androidの機能として備わっているテザリングも、本体スペックの高さは求めなくても大丈夫。MVNOのSIMを使った、格安Wi-Fiルーターとして利用できるわけです。好きなSIMが挿せるWi-Fiルーターもすでに市販されていますが、それと比べても、1万2800円という本体価格は割安な部類。日本語でのサポートや保証が付いていることを加味すると、「買ったのに設定が分からず結局使えない」といった事態へのリスクヘッジにもなります。

freetelの開発・販売元であるプラスワン・マーケティング株式会社によると、日本語でのユーザーサポートはもちろんのこと、

国内の大手メーカーで実績を積んだエキスパートが監督、指導を行い製造しました。さらに、約100種類にもおよぶ厳しい品質試験を通過した高品質な製品を実現! 当然、「技適」や「PSE」などの認証も取得済み。

と、高品質なスマホである理由が謳われています。技適の認証もちゃんと通ってますよ。

■「スマホ以外」との2台持ちに最適

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「通話はガラケーのほうが便利だし、月額料金も安いので替えたくない」「機能や用途の重複部分が大きいから、タブレットとスマホの2台持ちは避けたい」と考えている人は、多数派ではないものの、確実に存在します。そこで、選択肢として登場するのが、「"これで充分"なSIMフリースマホ」の「freetel」。本体価格も低額で、割賦販売ではない点、そして、月額も低額なMVNOのSIM(どの周波数に対応しているかチェックする必要はありますが)が使える点から、イニシャルコストとランニングコストともに重視する、ライフハッカー読者に多かろうと思われるタイプにおすすめできます。

例えば、ソフトバンクのガラケーで「ホワイトプラン」、「freetel」に日本通信の「b-mobile スマートSIM 月額定額1980」を挿して使うと、月に1GBまでのデータ通信を含んだ月額は2960円(消費税5%の場合)。これなら、スマホに機種変したり、新たにもう1回線スマホを契約するよりも、断然に安くすみます。IP電話アプリを入れて、通話もIP電話にすれば、通話料も削減できますね。ちなみに、聞いたところによれば、主なIP電話アプリに個別にチューニング済で、音声品質には自信ありとのこと。

通勤時間もそれほど長くなく、立ち寄る先ではWi-Fiが使えるところがほとんど。だいたいはPCで作業するから、スマホでなにか作業することはあまりない。せいぜい、電車の移動時間内でメールとニュース閲覧くらい。なんて人、都市部では多いのではないでしょうか。1GBと聞くと、ヘビーユーザーにとっては物足りない数値ですが、前述のような都市型生活者の多くには、1カ月の通信料として充分だと思われます。というのも、以前ソフトバンクの提供で「パケットし放題MAX for スマートフォン」というパケット通信プランがありまして、これが「712.5万パケット(約900MB)まで最低料金」ですむことから、私も長年使っており、この経験から推察するものであります。最近は無料でWi-Fiを使えるところも多くなりましたしね。

ちなみにb-mobileのサイトによれば1GBの目安は「300文字程度のテキストメール:20万4800通」「動画:約500分」「Web閲覧:4338回」とのこと。

■デュアルSIM対応で、海外での通話・通信代が安くなる

ソフトバンクauは1日1980円~。ドコモは1日980円~。この金額は、大手通信キャリアの海外パケット定額料金。てっきりデータ量は無制限かと思いきや、最低料金で使えるのは、約25MBまでだったりとか、30MB以上の通信では16kbpsという15年前のモデム通信もビックリな通信スピードになってしまったりとか。利用シーンの例を見ると「海外では使うな」と言っているに等しいレベルです。

SIMフリー端末があれば、現地のコンビニでも売られているプリペイドSIMを購入して使えて、Wi-Fiの入らないところでも、通信料金は格段に安くなります。現地で契約できる、安価なSIMカードを使えば通話料も激安。1度きりなら国際ローミングサービスの通信料でもいいかもしれないですが、2度3度と海外に行く機会があるのなら、かなり安くなります。

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「freetel」の便利なところは、2枚のSIMが1つの本体に挿せること。普段使っているスマホのSIMを下段に、現地で調達したSIMを上段に挿せば、いつもの番号に着信があっても電話を受けられ、データ通信や発信は現地調達のSIMで...といった使い方もできます。また、海外に行く機会の多い人で「高価なスマホを海外に持っていくのは、紛失や盗難が心配」というときには、普段のスマホからSIMだけを移し替えて海外へ、という使い方もアリかもしれませんね。

この「freetel」の特長を一言で言うならば「安さと高品質を両立してきちんと作ったシンプルなスマホ」。スマホの設定やSIM選びがちゃんとできる人であれば、上手に使いこなすと、通信費の削減に繋がるほか、大手キャリアのスマホラインナップではカバーできなかった使い方にも対応できますよ。

従来の選択肢では、いまいち納得できなかった方に、新しい選択肢として「"これで充分"なSIMフリースマホ」はいかがでしょうか。

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(常山剛)