あなたは今落ち込んでいますか? 気分が沈んだり、悲しくなったりしたとき、そういった感情が過ぎ去るのをひたすら待った経験がありますか? 私にはあります。

そういったマイナスの感情が起こり始めたとき、多くの人は打ちのめされ、落ち込み、憂鬱になりがちです。もしずっと憂鬱感が続くようなら、慢性的な鬱病もしくは躁鬱病の可能性もありますので、専門家のサポートを求めることをお勧めします。

私がこれからご紹介するのは、全面的な鬱病や慢性疾患の対処法ではありません。一般的な人が日常生活の中で、何か原因があって悲しみや気分の落ち込みを感じたときの対処法です。

人は時として、誰かに何か言われたことが原因で落ち込みます。職場でそのような状況に陥った場合、難しい立場に置かれます。その際、感情を表に出すべきでしょうか? すると、仕事の内容、相手が同僚か、友人かなどによってはトラブルに発展するおそれもありますよね。

私が今日、この記事を書いているのは、今日私自身が職場で落ち込んだからです。今週は何かと大変で、何1つ思い通りにいかないように感じます。私は日頃、必要なときは感情のままふるまってもよい、と言っています。しかし、仕事でそうするわけにはいきません。私は心理学の教授であり心療内科医なので、患者の治療をしているとき、自分が憂鬱な気分であることを見せるわけにはいきません。こういうとき、私にできる方法は3つあると思います。

1.皆の目の前では「仮面」をかぶり、「アイアンマン」あるいは「鋼の男」になったつもりで冷静に見えるよう演じる。

2.自分のオフィスに戻り、自分だけの世界に閉じこもり、患者や学生に会うのをやめる。

3.(私がいつも取る方法ですが)エネルギー心理学メソッドを用いる。しかしこれには数分かかります。

さらに、4つ目の選択肢は、ちょっと時間を取って、憂鬱感に効果的な身体動作をいくつか行うことです。

落ち込んだときに効果的な身体動作

A) つま先立ちで歩く

前回、このPick The Brainに書いた記事で、グランディングについて紹介し、難しい感情のコントロールに役立つことをお伝えしました。素晴らしいグランディングのテクニックでは、足全体を使って歩きます。足のわずかな動き一つひとつに慎重に気を配りながら歩きます。

気分が落ち込んでいるときや、落ち込み始めているときは、つま先立ちで歩いてみましょう。そうすると、つま先に集中して全体重を預ける形になります。気分が落ち込んでいるとき、足は床に固定されたように感じ、一歩踏み出すのも辛い状態になっているため、足を引きずりがちですが、つま先で立つには体を持ち上げる必要があります。これは、足を引きずるという自然な「落ち込んだ」時の動作に、意識的に対抗する動作です。つま先立ちすることで、体が「上がる」のです。

B) ジャンピング・ジャックを数回行う

ジャンピング・ジャック(挙手跳躍運動)を20回してみましょう。大抵の人には20回は多いと感じられるでしょうが、私がこれをお薦めするのは、(1)地面を離れ、上に上がることができること(上記のつま先立ちの説明と同様です)、(2)運動によって、全身により多くの酸素や血液などを行き渡らせられること(全身を動かして血液の停滞状態に対抗しましょう。気分が落ち込んでいると運動しない、という考えに基づくものです)、そして、運動によって(3)気分を良くしてくれる脳内物質、エンドルフィンが放出されることが理由です。

Wikipedia(英語版)には以下のように書かれています。

エンドルフィン(内因性モルヒネ)は、神経伝達物質として機能する内因性オピオイドペプチドである。この物質は、運動、興奮、痛み、香辛料の摂取、恋愛やオルガスムによって、脊椎動物の脳下垂体と視床下部で産生される。鎮痛効果と多幸感をもたらす点で、オピオイド(アヘン)と似ている。

C) 胸を張る

悲しいときや気分が落ち込んでいるときは、胸廓を閉じて「心(感情)」を守ろうとします。肩をすぼめて前屈みの姿勢になることで、自分の感情を「守ろう」としているのです。

こういうときは、実際にまっすぐに立ち、胸廓を広げなければなりません。もっと良い姿勢になって胸を張りましょう。こうすることで、肺により多くの酸素が取り込まれます。「誇り」を感じているとき、人はこの姿勢を取ります。こういったマイナスの感情に陥っている状況のときは、誇りの姿勢を取っていただきたいのです。

D) 両腕を頭上に挙げる

これはつま先立ちと同様です。人は悲しいときや落ち込んだとき、両腕が下がり、体の両脇や胴体から離れません。

勝利したときのように、両腕を挙げてください。勝利の気持ちを表したいとき、人は両腕を挙げます。ですから、両腕を挙げ、「勝利」した気分になりましょう!

E) あごを上げて微笑む!

前屈みになっているとき、あごは下がり、眉を寄せているか、もしくは悲しい表情をしています。胸廓を開きながら、あごを上げてください。誇らしい気持ちのとき、あごは上がっています。

微笑みましょう

たとえそういう気分でなくても、微笑みましょう。微笑めば、顔の筋肉が作用し、筋肉が体内記憶に働きかけることで、脳がエンドルフィン産生を促します。

ですから忘れないでください。気分の落ち込みと戦いたいなら、重力と戦わなければなりません。イメージ的にも、実際にも、体を「上に」持ち上げましょう。

このシンプルな方法についてのご意見をぜひお聞かせください! そして、実際にやってみて効果があればもちろん、効果がなかった場合でもお知らせ下さい!

Feeling down? Try These Body Actions to Counter the Feeling|Pick The Brain

Carlos Coto(訳:コニャック)

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