料理を作るときに、何を作ればいいのか分からなくなることもあると思います。材料が豊富にあるからといっても、それをどう調理するべきか、その調理された料理が自分や家族の食べたい料理なのか...。

いくつかの基本ソース作りを押さえれば、家にある食材で美味しくご飯を作る事ができます。ソースを使えば、誰でも野菜やお肉、魚介類等を簡単にすてきな食事に変える事ができます。料理によってはベースとなるソースや味がある場合もありますが、ソースの本質を理解すれば追加で食材を加え、調味料を加える事によって新たな味や料理の可能性を広げる事ができます。

1.ベシャメルソース(ホワイトソース)

ベシャメルソースはクリーミーなホワイトソースで、"マザー・ソース"のひとつと呼ばれるぐらい、いろんなソースのベースとなっています。

このフレンチソースは滑らかな質感、素材とぶつかり合わない性質から重宝されており、「とろみ」をつけ、食材を絡めるのに使われます。注意点としてベシャメルソースを作る際には最適と思われる濃さよりも、濃い目に作っておきましょう。完成後に薄める事は簡単にできても濃くするのは難しくなるからです。(アメリカで広く読まれている料理本『The Joy of Cooking』より)

ベシャメルソースはラザニアや、キャセロールの野菜、マカロニチーズ、そのほかにはチーズを使った料理全般に使うといいでしょう。作り方はホワイト・ルー(小麦とバターを同量使って作る)に、クローブをさした玉葱、牛乳、塩を全てを鍋で煮て、滑らかでクリーミーな状態になるまで火にかけます。『ニューヨークタイムズ』ではヘルシーバージョンとしてバターの代わりにエキストラ・バージンオリーブオイルを利用したレシプを紹介しています(英文記事)。ビーガン(完全菜食主義)対応をするには牛乳の代わりに野菜の出汁やブイヨン、バターの代わりに植物油を使えばビーガン・ベシャメルソースが作れます 。

私の同僚であり食べる事が大好きなAlan Henry記者がこのソースのコツを教えてくれました。

ベシャメルソースを作る時に重要なのは火力と集中力です。ひとつの事に集中できない性格の人だったり、ソース作りをほかの料理と同時進行で作るのであれば若干難しいかもしれません。最初はルー(小麦とバター、ラード、ショートニング等)から火をかけブロンド色(もしくは茶色ですが、普通は茶色になりません)になるまで待ちます。その後、牛乳等を加え、長い間かき混ぜるとソースが濃くなり、滑らかになるはずです。本当に美味しいベシャメルソースを作りたいのであればベーコンの油で試してみてください。人生が変わるぐらいの驚きを与えてくれるでしょう。

2.ヴルーテソース

ヴルーテソースはベシャメルソースと似たソースですが、牛乳の代わりに出汁を使うので(鶏、魚、もしくや野菜類)、その出汁がソースに色を付けてくれます。このソースの用途は幅広いので、単純に肉類や魚介類もしくは野菜にかけるだけでも使えます(キノコ類やシャロット、白ワインを加えて味を深める事もできます)。

上記のビデオは『Everonesitalian.com』からの動画ですが、ヴルーテソースがいかに簡単に作れるかというのが分かるでしょう。バターと小麦粉を使ってルーを作り、チキンストック(鶏の出汁)を足すだけです。

中華風のヴルーテソース(炒め物や炒飯等に最適)を作るには『Art of Cooking』のビデオを見ると良いでしょう。

3.エスパニョールソース(ブラウンソース)

このソースはシンプルなブラウン・グレイビーソースであり、ステーキソース、マッシュルームソース、マデラソースなどのベースとなるソースです。上記のソースと同じ様に、まず同量のバターと小麦を使い、ルーを作ります(バターの代わりにベーコンの油を使っても美味しくできます)。完成したルーにミルポワ(玉葱、人参、セロリなどの香味野菜)を加え、牛肉の出汁、トマトを加えて煮込みます。

ほかにもブラウンソースを作る方法はあるのですが、これを基本ベースにし、開拓するといいでしょう。

ソースを作るのに手間をかけたくなければ、フライパンで料理した後の肉汁等を使い、簡単なグレイビーソースをつくるのも良いかもしれません。

(Alan 記者曰く)完璧なステーキを焼いた後の肉汁を捨てたりしていませんか? フライパンに残った肉汁にバターなどの油脂分を加え、小麦粉を加え少し濃度をつけたら、塩コショウで味付けをし、フライパンにこびりついたソースや、肉片をバルサミコ酢やシェリー(もしくはクッキングワイン類)を入れてこそげ落とします。ソースが滑らかになるまでかき混ぜれば簡易グレイビーソースの完成です。

無数にある簡単なグレイビーソースを紹介したら切りがないのですが、基本は同じなので一度作ってみてください。次の感謝祭や何かのイベントで試してみるのも良いでしょう。短時間で簡単に作る事ができるので、フライパンやオーブン皿に肉汁が残っているなら是非!

もしくは『Reluctant Gourmet』がおすすめするのように、ブラウンソースの元をデミグラスソースや赤ワインを使うバージョンも試す価値があるでしょう。

4.マリナーラ(マリナラ)ソース

ベーシックなスパゲティソースでもあり、以前紹介したこともある通り、このソースは数々のイタリアン料理の基本でもあり、基本的な調理テクニックを学ぶには最適なソースなのです。基本を学んでおくと応用が聞くので覚えておいても良いでしょう。

上記の動画では Giada De Laurentiis が"30分もかからないソースの作り方"を教えてくれます(個人的には「the Pioneer Woman」のソース作りの方が好きなのですが、彼女は市販のソースを使うので人によってはおすすめできません)。

5.ガーリックソース

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ニンニク好きな方におすすめしたい簡単なソースです。マヨネーズに似ているのですが、それより軽い口当たりが特徴です(マヨネーズ自体、完成された"ソース"でもあります)。Tony Tahhan 氏によるとこのソースはアラブ系の人々に「toum」と呼ばれ(toum はアラビア語でニンニクを意味する)、このソースを作るシンプルなレシピを教えてくれました。ニンニク、レモン汁、オイル、そして卵白を加えるだけです。このソースをグリルチキン、ポテト、もしくはマヨネーズの代用として使ってみてください。

これらの5つのソースは無数にあるソースのごく僅かで、ほかにも学べる数多くのソースや、料理があります(メキシカン料理のモーレソース、タイ料理のピーナッツソース、インド料理のカレー、中華料理のカレー等。詳しく知りたい方はここにフムス、ナッツソース、ペスト等の12個のソースレシピがあります)。

このチェックリスト(英文記事)にあるようにキッチンに必要な物を常在させておけば、いつでもソースを作る事ができ(作ろうと思えばシラチャソースを簡単に作ることもでき、市販のバーベキューソースも食材や調味料、ソース等を加える事によってより美味しくできます)、ソースが作れれば数多くの美味しい料理を作る事ができます。

Melanie Pinola(原文/訳:tomo)

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