パソコンが普及する以前、ぼくたちは写真、ビデオ、音楽、紙の書類などの保存・管理をそれぞれの媒体ごとにしていました。例えば写真なら写真アルバムに、ビデオならビデオテープで、音楽ならカセットテープやCDで、紙の書類はファイルに挟んでという感じ。
しかし、パソコンが普及した現在、それらはデジタルデータとして、パソコンの中に保存、管理することが一般化し、とても便利になりました。
さて、パソコンのお陰でデータの保存・管理がだいぶしやすくなったと思うのですが、その一台でしか閲覧できない、複数人数で閲覧するのが難しい、出先でデータを閲覧したい時そのパソコンがないと閲覧できないなど、まだまだ不便な点がありますよね。しかし、それらをとても簡単に解消する方法があります。
パーソナルクラウドについて
それは、NAS(ネットワーク対応HDD)を使いパーソナルクラウドを所有するという方法です。
クラウド、とくにクラウドストレージとは、インターネット上にデータを置いておくことで、ネットがつながる環境であればいつでもどこでも、データにアクセスすることができるというサービスです。Dropbox、SugarSync、iCloudなど多くのサービスがあります。これらは、ある程度の容量までは無料で使用できますが、一定容量以上になると有料となる場合がほとんどです。
これらクラウドサービスは無料で簡単に使い始められる反面、突然サービスが終了してしまう可能性もゼロではないこと、いくらセキュリティがしっかりしているとはいえ、他人のスペースに個人データを置いておくのはちょっと、という不安要素があります。
それに対してパーソナルクラウドというのは、上記で説明したクラウドサービスを自分で所有してしまおう、というものです。NAS(ネットワーク対応HDD)やPogoPlugといった機器を使うことで、月額無料で、数TBもの大容量のパーソナルクラウドを持つことができるんです。
NAS(ネットワーク対応HDD)は複数メーカーから発売され、数TBの大容量のものが主流となっています。一方PogoPlugは、USBの外付けHDDやSDカードを接続してパーソナルクラウドをつくる機器です。必要に応じてHDDの容量を増強できるのが特徴です。
スマホのストレージ容量は、まだまだ心許ないから
インターネットに繋がったパソコンやスマートフォン、タブレット環境があれば、いつでもどこでもパーソナルクラウドに保存した写真、動画、音楽、データファイルを視聴、閲覧することができます。
例えば外出先でスマートフォンからパーソナルクラウドに保存した写真、エクセルファイルを閲覧することができます。つまりデータを持ち歩く必要がないので、スマートフォンの記憶容量を圧迫することがないんです。実質数TBの大容量を持ち歩いているイメージですね。
アプリ紹介
ここでは、NASの『WD Mybook Live』のアプリを例にパーソナルクラウドの使い方を紹介します。
スマートフォンやタブレットからアクセスするための専用のアプリがあります。データ全般にアクセスできる『My Cloud』と写真に特化した『WD Photos』の2つです。
(1)さまざまなデータにアクセス:『WD My Cloud』
例えば、音楽データにはこのような感じでアクセスできます。
また、ぼくは家族で共有しておきたい事項(保険、銀行などのライフライン情報やネット銀行の ID/パスワードなど)をパーソナルクラウドに保存しています。そうすることで、万が一家族に何かあった場合でも、お金の出し入れや保険の手続きをスムーズに進めることができます。
(2)スマホで撮った写真を共有:『WD Photos』
保存した写真がこのように一覧で閲覧できます。
また、アプリ上から写真、動画を撮影し、パーソナルクラウドにアップロードすることができます。僕の場合、最近はデジカメではなく iPhone で写真を撮ることが多くなったので、撮影してパーソナルクラウドにアップロードすることで、スマホを持った家族と、簡単に写真を共有できるようになりました。
パーソナルクラウドを所有するメリットは、一般的なクラウド(Dropbox等)とは異なり、自分の大切なデジタルデータを自宅で安全に保護・管理することができる点です。データが自分の家にあるというのは、やはり安心感があります。
また、月額無料(NASやPogoPlug本体代は必要ですが)で数TBの大容量のクラウドを持てるので、スマートフォンやタブレットの容量を気にせず、快適に使うことができる点です。
デジタルデータを安心、安全に管理し、家族で共有できるパーソナルクラウド、始めてみませんか。
(ドサ健)
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