手で何かをいじくり回すのは、物思いにふけってあれこれ考えているように思われることが多いしぐさです。あまり考えずに物をいじって遊ぶのは、学ぶのには役に立たないように思えます。しかし、Annie Murphy Paulさんは、何かをいじくり回すことは学びにもかなり良いと言っています。何かをいじくり回したり、しばらく突き回ってどのように動くのかを探ることは、昔ながらのテクニックです。しかし、そのような行動が実際どのように役立っているのか、という科学的な根拠を知っておくのもいいでしょう。Paulさんは、子どもの場合にどのように効果があるのかを説明しています。

学習に関する科学的な研究で、実際に自分で体験することが、若者の概念や問題に対する理解をかなり深めるということが証明されました。

2009年の「the International Journal of Engineering Education」に載っていたある実験で、中学2年生のあるグループに、教室で資料を使って授業をし、ノートを取らせるというような、昔ながらの方法で水源について教えました。一方、同じクラスの別のグループには、浄水器をデザインして作りながら、同じく水源について教えました。

後者のグループの方が、きれいな水を飲むことの重要性や、水を浄化する方法など、そのお題に対してよく理解していました。水源や水質に対する自由回答方式の質問に対する答えでも、より深く複雑な考え方ができていました。何が起こるかを探り、理解し、反映し、評価するということを繰り返そうとする、大まかなプロセスも含まれています。

若者の学習に関する調査はたくさんありますが、それは年齢が上がると当てはまらないということではありません。パソコン内で何が起こっているのか理解するには、しばらくそれをいじり回っていた方がいい、というのはよくあることです。

The Joy of Making Things | Annie Murphy Paul

Thorin Klosowski(原文/訳:的野裕子)

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