新品のカメラを箱から取り出してシャッターを切れば、人を感動させられるような写真がすぐに撮れる...そんなわけはありません。クリエイティブな写真を撮影したいのであれば、もう少しカメラのことを理解しておくべきです。
それは「写真のプロセス」を理解することでもあります。つまり、カメラについてのさまざまな文献を読んでみる、設定をいじってみる、足を使って何千枚もの写真を撮影してみるといった作業がどうしても必要となってきます。
その作業において撮影した写真たちは、いまFlickrで公開されているかもしれません。Flickrでは数多くのカメラマンたちが写真を公開しています。そして、それらの多くはFlickrグループでところ狭しと公開されるのです。
Flickrグループの長所として、「ディスカッションできる場があること」が挙げられます。また、写真の基礎を学ぶ場所としても、なかなか良い環境です。世の中には数限りないほどの写真関連ブログやウェブサイトが存在します。ですが、Flickrはその中でも多くの人が集い、活用し、よりよい写真を撮影するためにどうしたらよいかを学習する場所として、圧倒的な存在感を誇ります。
今回は写真の基礎を勉強したいと思っている方に、最適なFlickrグループを8つ紹介します。Flickrグループのあとのカギカッコ内は、そのグループのテーマです。
Depth of Field(被写界深度)
被写界深度は、初心者にはわかりづらい概念の1つです。ですが、これが理解できると、クリエイティブな画像を撮影できるようになります。たとえば、被写界深度を浅くすることにより、何気ないオブジェに驚くようなタッチを追加できる場合もあるのです。チェスの駒を1つ撮影するにしても、背景をボカすことで、スリリングな写真に見える場合もあります。
定義上、被写界深度とは「カメラがハッキリ捉えられる、最も近いものから最も遠いものまでの距離」を指します。Depth of Fieldは被写界深度を使って、特定の結果を出す方法を紹介してくれます。このグループのディスカッションテーマは被写界深度、レンズ口径、焦点距離についてとなっています。
浅めの被写界深度での撮影手法に関する知識をより深めたいのであれば、よりマイナーなShallow Depth of Fieldグループに参加してみてください。
Long Exposure(長時間露光)
風景撮影や夜間撮影などで長時間露光を行うと、とても不思議なエフェクトがかかったような写真ができあがります。もう一歩踏み込んで、ライトペインティングをやってみるというのも面白いかもしれません。これらの手法により、静的な画像にモーション効果を付けられます。
デジタル写真は減光フィルターなしで長時間露光の画像を撮影してみることができるので、あらゆる設定を追求してみることが可能です。Long Exposureには多くの魅力的な画像があります。フィルターに関して知りたいことがあれば、ここのディスカッションで質問してみることもできます。
Bokeh: Smooth & Silky(ボケ効果:スムース&シルキー)
ボケ効果(英語でも「bokeh」といいます)とは、焦点が合っていない光の反射状態を意図的に作り出し、柔らかくぼんやりとした感じで撮影するテクニックのことを指します。円形でピントの合っていない光が写り込んだ写真を見たことがあるかと思います。
ボケ効果はカメラ本体ではなくレンズで行いますので、レンズの種類によっては箱から取り出したばかりのカメラでも試してみることができます。f/2.8以上の高感度レンズをお持ちであれば、ボケ効果を使えます。Bokeh: Smooth & Silkyでは良いボケ効果とそうでもないボケ効果の両方を見られます。また、このグループではアート全般に関するディスカッションがとても積極的に行われています。
Poor Man's Macro(倹約家マクロ)
FlickrにはMacro Photographyというグループを含むマクロ写真のグループが数多くありますが、今回はPoor Man's Macroというグループを紹介します。このグループはその名の通り、マクロレンズを使わずにマクロ写真を撮影する、というグループです。延長チューブや接写フィルター、リバースマウント、DIYデバイス、虫眼鏡など、あらゆるものを使ってマクロ写真を撮っている人たちが属しています。初心者であれば、まず安価な代替品を使って撮影してみてから、マクロ撮影用キットの購入を考えてみるのがオススメです。
Black and White(モノクロ)
はっきりと知る術がないのでわかりませんが、Black and WhiteはFlickr上で最も大きなグループの1つです。ここでは自分の気に入ったモノクロ写真を投稿し、フィードバックを求めることができます。多くの人が属するこのグループからは様々な意見が出され、あらゆるディスカッションが日々行われています。
The Original 50mm Group(オリジナル50mmグループ)
The Original 50mm Groupは、ブランドに関係なく50mmレンズで撮影された画像のみをカバーするFlickrグループです。経験豊富な写真家に聞くと、初心者が最初に所有するレンズは50mmのものがオススメなのだそうです。Canon EF 50mm f/1.8 IIやNikon 50mm f/1.8D AFなどのf/1.8レンズは、比較的安価だというだけでなく、日々の写真を撮るのに最適なレンズです。また、固定レンズを使うと、自分が動くことによってのみ良い写真を撮影できることを学習する良い機会にもなります。
Amateurs(アマチュア)
ほとんどの人は、まず趣味として写真を始めます。だから、同じような気持ちで写真と接している人たちと一緒に楽しむのは、とても人間らしいことです。このグループのディスカッションでは写真の初歩に関してなんでも聞けて、自分の体験もほかの人と共有できます。たとえば、「カメラをどうして持ち歩いているのかを説明しなくてはいけないのでしょうか?」のスレッドには、興味深い意見がたくさん寄せられています。
Nikon Digital Learning Center(Nikonデジタル学習センター)
Nikonのカメラを持っている方は必見のグループ。The Nikon Learning Centerは、Nikonを手に入れたばかりの初心者向けの場所となっています。Nikonによるオフィシャルグループ、2人のレジデントプロカメラマンや、Nikonの技術部マネージャーによって管理されています。
Canonや他のブランドにも同様のグループがあり、特定のモデル用のグループがある場合もあります。Camera Finderを使って特定の型番のカメラで撮影した写真だけを表示させたり、自分と同じレンズを絞り込んだりすることも可能です。
Flickrには本当に数多くのグループがあります。たとえば、朝日や夕日のみに対象を絞ったグループなど、ユニークで興味深いものはすぐに見つかるはずです。
とりあえず、持っているカメラメーカーのグループは属しておいて損はないかと。グループの検索はこちらから可能です。他にも初心者向けの面白いグループを見つけた方は、ぜひコメントで教えてください!
Learning Photography? Join 8 Flickr Groups For Eye-Opening Lessons | MakeUseOf
Saikat Basu(訳:まいるす・ゑびす)
Photo by Thinkstock/Getty Images.