Windowsの再インストールは、時間のかかるやっかいな作業です。無事にOSを作動できたとしても、更新データをダウンロードしたり、適切なドライバを探したり、アプリケーションをインストールしたり、あれこれすべてを整えなくてはなりません。それよりも、必要なものを全部詰めこんだ自分専用のインストールディスクを作成してみませんか。ここではその方法を紹介します。
Windowsの再インストールで手間を省く方法は2つあります。ひとつは、OSアップデート、調整済みの設定、個人用設定、果てはシリアル番号まで盛り込んだ、カスタマイズ仕様のWindowsインストール用ディスクのISOイメージファイルを作成する方法です。もうひとつは、自分専用の「PCのリフレッシュ」イメージを作成する方法です。こちらの場合は、コンピューターを「初期状態」に戻すわけですが、インストール済みのプログラムはそのまま残せます。
方法1:自分専用のWindowsインストール用ディスクを作成する
自分専用のWindowsディスクを作成するには、『WinReducer』というアプリケーションを使います。以前に米Lifehackerで紹介していたWindows 7用の『RT Se7en Lite』と少し似ており、Windowsの標準インストールに加え、お気に入りの設定やOSアップデートを含めることが可能です。ただ、『RT Se7en Lite』と違い、『WinReducer』はお気に入りのプログラムを含むことができません(後述するオプション2では可能です)。
必要なものは次の通りです。
- 市販されているWindows 8インストールディスク、もしくは何も手を加えていないISOイメージファイル(ダウンロードされたアップグレード版およびオールインワン版は不可)。
- 『WinReducer8』
- WinReducer8がダウンロードを指示するアプリケーション数本(すでに持っているものもあるかもしれません)。
『WinReducer』を起動すると、最初に表示されるのは、接続しなければならないソフトウェア9本が表示された画面です。圧縮・解凍ソフトの『7zip』はおそらくお持ちだと思いますが、その他は1つずつダウンロードしなければならないでしょう。全部で、ダウンロードするパッケージは4つです(うち1つはフォーラムへの登録が必要になります)。32ビット版および64ビット版両方のプログラムファイルの場所をアプリケーションに指示してください。その作業が終了したら、WindowsのISOイメージファイルを準備します。
市販のディスクからWindowsのイメージファイルを作成するには、ディスクをドライブに入れてルートフォルダを開き、そこにあるすべてのファイルをハードドライブにコピーするだけです。後は、『WinReducer8』にそのフォルダの場所を指示すれば完了です。
これで初期状態のイメージが手に入りました。いよいよ、自分専用の再インストールディスクを作成します。自分の好きなように変更できる設定項目は、デスクトップ用壁紙、ユーザーアカウント、カラーテーマなど山のようにあります。ここでそれらすべてについて説明するのは無理ですが、知っておくべき大事なポイントを説明しましょう。
Windowsアップデートを含める
「Customization>System」タブの下に、Windowsアップデートを含めるための設定があるはずです。必要なパッケージを含めるには、以下の作業が必要となります。
- 「Updates」チェックボックスをクリックします。
- アップデートファイルを保存するフォルダを選択します。
- 「Updates Download Tool」をクリックします。
- 「WinReducer Catalog Updates for Windows 8」の下にある「Check」ボタンをクリックします。
- 含めたいアップデートを選択します。
- 「Download」をクリックします。
これで、リストの中から含めるアップデートを選択できます。全部が必要なわけではありませんが、「Critical(緊急)」、「Important(重要)」、「Moderate(警告)」、「Low(注意)」「Update Rollup(アップデートロールアップ)」を入れておけば、かなりの時間節約になるはずです。
インストール作業を自動化する
Windowsのインストールでイライラするのは「待たされること」です。そこで、いくつかのチェックボックスにチェックを入れておきましょう。「Unattended」タブの下に、ソフトウェア使用許諾契約への同意やユーザーアカウントの作成など、インストール時に求められる入力作業を自動で行うための選択肢が表示されています。お望みであれば、ここにシリアルキーを入力しておくこともできます。そうしておけば、コンピューターのセットアップが多少簡単になります。
ただ、この設定にすると、あなたのマシンにしかインストールできなくなるということをお忘れなく。どのマシンでも使えるWindowsディスクが必要ならやらないでください(もしくは、先ほど作成した市販のディスクイメージを使いましょう)。
すべての設定を選択し終わったら、全部まとめてコンパイルします。「APPLY」タブを開いて「Launch」と書かれた大きな青いボタンをクリックしてください。選んだオプションを全部まとめるためには多少時間を要します。
それから、3つの選択肢が用意されています。基本のWIMイメージファイルを作成するか、ISOイメージファイルも一緒に作成するか(ディスクに焼きたい場合はこちらを選んでください)、起動可能なUSBドライブを作成するか、です。「Advanced Settings」ボタンをクリックすると、USBドライブ作成のためのオプションと、その方法を説明したチュートリアルが表示されます。
方法2:「PCのリフレッシュ」用のカスタムイメージを作成する
Windows 8には、非常に便利で優れた「PCのリフレッシュ」という新機能があります。ゼロからWindowsを再インストールすることなく、コンピューターを「初期状態」に戻せる機能です。Windowsがシステム設定をバックアップするので、個人用ファイルは保存されますが、それ以外はすべてリセットされます。
確かに優れた機能なのですが、インストールしておいたプログラムはすべてダウンロードし直さなければなりません。パソコンに付属していた、あるいはWindowsストアからインストールしたアプリケーションはWindows 8がバックアップしてくれますが、他のウェブサイトやDVDからインストールしたアプリケーションが多ければ、大変な作業になります。
それならば、お気に入りのプログラムを残したままで自分のパソコンを初期状態に戻す際に使えるカスタムイメージを作成してしまいましょう。ただし、そのためにはまずクリーンインストールをする必要があります。都合がいいのは、新しくパソコンを購入した時や、上記のような方法でカスタマイズされたインストールディスクを作成した後です。ここでは「recimg」というターミナルコマンドを使用します。
方法は以下の通りです。
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動します。
- 次のコマンドを入力します。
- 待ちます。システムのバックアップイメージを作成するため、しばらく時間がかかります。進行状況が1%の状態が30分くらい続くでしょう。
recimg /createimage [フォルダーのパス]
(フォルダが存在しない場合は、recimgが作成してくれます。保存場所は、C:\Refreshのようなわかりやすいものにしましょう)
イメージファイルができたら、ここで作ったWIMイメージを使い、「PCのリフレッシュ」(Windowsの「設定」からでも、リカバリーディスクからでも利用できます)でパソコンを最初の状態にリセットしましょう。これは、イメージを作成した時にインストールされていた全アプリケーションのスナップショットです。後から「PCのリフレッシュ」をしても、この時のシステム設定およびデータがバックアップされています。
Eric Ravenscraft(原文/訳:遠藤康子、吉武稔夫/ガリレオ)