iPhoneにはなくて、Androidにはあるもの。
最近のAndroid端末には、NFCが搭載されたものが多くあります。このNFC、つまり「近接場型の無線通信」を使ってできる、素敵な自動化の方法を紹介しましょう。
ただし、以下の自動化のほとんどには「NFCタグ」が必要です。NFCタグにはステッカータイプやキーホルダータイプなどがあり、オンライン上でも安く買うことができます。また初心者の方は、まずはこちらの記事でスマホのアクションを自動化する方法を確認してから次に進んでください。
1.帰宅と同時にコンピュータを起動する
疲れ果ててようやく家に帰り着き、それからコンピュータの起動を待つのは確かに面倒です。だからといって、その数秒を節約するために1日中コンピューターをONにしておくのもちょっと気が引けますよね。そこでNFCタグの登場です。帰宅と同時に、遠隔操作でコンピュータを起動するのです。
必要なものは、アプリ『Tasker』とAndroid用Wake on LANアプリ『Wol Wake on Lan Wan』、それからWake up on LANをサポートしたコンピュータです。詳細な手順は、redditのこちらのスレッドをご覧ください。設定が完了したら、帰宅後すぐに起動できるよう、玄関近くのタップしやすい場所にNFCタグを貼っておきましょう。
2.Wi-Fiテザリングを有効化する
スマホの設定画面からテザリングを有効にするのはそんなに手間ではないかもしれません。それでも、そのちょっとした手間を省きたければ、NFCタグを使った遠隔操作でテザリングを自動化できます。設定したNFCタグはラップトップの端の方に貼っておくといいでしょう。タグへの書き込みには、『NFC Task Launcher』を使用します。
3.来客時にWi-Fiのパスワードをシェアする
長ったらしいWi-Fiのパスワードを訪問者に教えるのは大変です。そのとき、紙にパスワードを書いて手渡すのではなく、NFCタグに記録して渡すというスマートな方法はいかがでしょう。
これにはいくつかの方法があります。タグを使わずに直接NFCでパスワードをシェアできるのは『InstaWi-Fi』ですが、訪問者全員にアプリをインストールしてもらう必要があります。場合によっては、パスワードを入力してもらった方がマシということにもなりかねません。
もう1つの方法が、Wi-FiパスワードをNFCタグに記録して渡す方法。これなら、ほとんどのNFC読み書きアプリ(上記で紹介している『NFC Task Launcher』など)で読み込むことができます。
4.クルマに乗ったらドライブモードに
スマホを固定するための車載ホルダーにNFCタグを貼っておくと、スマホを置いただけで必要なアプリを起動してくれるのでかなり便利。『NFC Task Launcher』を使って、あらかじめ指定しておいた住所への案内を起動したり、音楽アプリを起動して所定のボリュームに設定したりといったことが可能です。
クルマを他人とシェアしているなどの理由でNFCタグを貼り付けたくない場合は、NFCキーホルダーの出番です。クルマの鍵に付けておけば、より便利ですね。
5.名刺代わりに
名刺はもはや20世紀の遺産です。このワイヤレスの時代に、電話番号を手作業で入力するなんてナンセンス。NFC搭載のAndroid端末同士であれば、連絡先アプリを開いて自分の名前をタップし、相手のスマホに近づけるだけで、連絡先が送信されます。
この方法にはほとんど手間がかかりませんが、ただし、場合によってはスマホを近づける理由を相手に説明しなければならないのが面倒です。そんなときこそNFCタグの出番。相手のペースを尊重して、あらかじめ連絡先情報を記録しておいたNFCタグを手渡しましょう。
NFC内蔵の名刺を使うのもお洒落かもしれません。一見無駄のようですが、相手の気をひくにはもってこいの方法です。それに、名刺に書くよりも多くの情報を記録することもできます。
6.『Tasker』のアクションを起動する
『Tasker』のアクションはすべて、NFCタグで起動することができます。
『Tasker』でタスクを作成し、メニューから[Preferences]>[Misc]の順に選択し、[Allow External Access]を有効にします。これで、どんなタスクでも『NFC Task Launcher』から起動できるようになります。
以上、NFCの便利な利用方法を紹介しました。付け加えておくと、Androidの基本機能だけでも、端末どうしを近づけるだけで、リンク、写真、連絡先などを送信できることをお忘れなく。
Eric Ravenscraft(原文/訳:堀込泰三)
Photo by Lucy Fisher, Jason Teste Guerilla Futuresr, and Danny Choo.