人生において、もっと幸せを感じるためには他者を助けると良いそうです。

人生を豊かにするためには他者を助けるのに年間100時間(だいたい週2時間)を費やすのが、最適なバランスなのだとか。Shawn Achor氏の『幸福優位7つの法則』には他者を助けることについてこう書かれています。

(前略)150人以上を対象に、最近何にお金を使ったか質問した研究では、体験(コンサートや仲間との外食)のためにお金を使うほうが、物(靴、テレビ、高級腕時計)の購買よりも、はるかに幸せを感じられることがわかりました。また、他者のためにお金を使うこと(「向社会的消費」と言います)も、幸福度を高めます

学術誌「Journal of Happiness Studies」にも、やはりこのテーマを取り上げた論文が掲載されています

被験者に、最近の購買行動について「自分のためにお金を使った場合」と「他者のために使った場合」のいずれかを指定して思い出してもらい、幸福度を自己申告してもらいました。続いて、思いがけずお金が手に入ったら自分のために使うか、他者のために使うかを選んでもらいました。

(その結果、)他者のための購買を思い出すよう指定された被験者グループのほうが、思い出した直後の幸福度で有意に高い数値を示しました。特に重要なのは、被験者の幸福度が高いほど、近い将来に思いがけずお金が手に入った場合は他者のために使う傾向も高くなったことです。

つまり、他者のためにお金を使えば、自分のためにモノを買うより幸せになれるわけですね。

では、他者のために時間を使う場合はどうでしょうか? ドイツでボランティアについての調査が行われ、他者を助ける機会が失われた場合にボランティアの人が受ける影響が検証されました。

ベルリンの壁の崩壊直後、まだ東西ドイツが統一する以前の時期に、ドイツ社会・経済パネル調査(GSOEP)の第1弾のデータが旧東ドイツで収集されました。(この時点では)ボランティアは広く浸透していました。

(その後の)東西ドイツ統一の余波で、ボランティアのためのインフラ(例えば、国有企業と連携したスポーツ団体など)が崩壊し、人々はボランティアの機会を予期せず失いました。

これらの人々と、ボランティア状況に変化のない対照群の人々の、それぞれの主観に基づく幸福度を比較したところ、ボランティア活動は人生の満足度の向上にとって有益であるという仮説が裏づけられました

Pennsylvania大学教授のMartin Seligman氏は、著書『Flourish: A Visionary New Understanding of Happiness and Well-being』の中で、他者を助けることで自身の人生も向上させられると説明しています。

(前略)私たちの科学研究によって、親切を施すことは、調査対象としたあらゆる行為の中で唯一、もっとも確実にその瞬間の幸福度を向上させられる方法だとわかりました。

10 Simple Things You Can Do Today That Will Make You Happier, Backed by Science | Buffer

Belle Beth Cooper(原文/訳:風見隆、江藤千夏/ガリレオ)

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