Courtney Johnston氏は、人々が起業する手伝いをしたり、ウェブ制作の方法を教えたりするサイト「The Rule Breaker's Club」のクリエイターです。彼女は不況で仕事に恵まれない中、自ら得意分野を生かしてビジネスを始めます。今回はCourtney Johnston氏が、その経験から得た「プロの仕事人になるための秘訣」を教えてくれます。

Dumb Little Man:大学時代に友人が「起業家クラブ」に入ると言ったときのことをよく覚えています。あの時は「なんてくだらない」と思ったものです。自分でビジネスを始めようなんて、ちょっと変わった人がやるものだと思っていました。

遡ること2007年、まだiPhoneが世に出る前の先史時代では

自分でビジネスをやりたいと思うなんて、キャリアを棒に振るような行為に思えました。20歳そこそこの若者にとっては特にです。「半端じゃない仕事量」「それに見合わない収益」「法的リスクの多さ」...起業の大変さはいくらでも挙がります。

この年に私は、フランス文学専攻の学位を得て、大学を卒業しました。この世の終わりでした。この頃、社会を取り巻く経済状況は、私と私の同世代の人たちを翻弄し、社会は学生の受け入れを拒んでいるかのようでした。2009年4月、卒業して数週間が過ぎても、私はまだ必死に「Craigslist」(アメリカのインターネット・コミュニティーサイト)に載っている求人広告の全てに応募し、ありとあらゆる小売店にも職を求めました。しかし、どこも雇ってくれなかったのです。大型スーパー「Target」でさえも。私はフランス語の学位を取るために4年間という膨大な時間と、何万ドルというお金を注ぎ込んで来たことを、言うまでもなく後悔したのでした。

思いがけず、私は自分でビジネスを始めることにした

何か問題があったとすれば、当時の私は弱冠21歳のフランス語の学位しか持たない人間だったということです。すなわち、使い物になるビジネススキルがあるわけでもなく、お金をいただいたり顧客を持てたりするようなアイデアなんて全く持ち合わせていない人間です。つまり、どう足掻いてみても、お墨付きのアマチュアだったわけです。

そんな私が、その後にやっとできることを見つけ出しました。まずはフランス語を教え始め、履歴書を書くサービスを提供し、結果的には自分の得意分野を使ってインターネット上でコピーライターとして一人でやるビジネスを始めたのです。

ここに至るまでに、あのiPhoneが到来する前の先史時代に、本当はわたしが誰かに教えてもらいたかった、いくつかの秘訣とコツを見つけました(おそらくあの頃、例の起業家クラブではきっとこんなことは話されていたのでしょうけれどね)。

ここでは、プロの仕事人になるための秘訣をお伝えしようと思います。これらを使えば、次にまた経済が破綻したとしても、Targetに採用されず苦しまなくて済むでしょう。かなりのお金を得られて、二度と職探しをする必要がなくなるかもしれません(どうだ、Target!)。

1. 自分をフォーチュン500に載る企業のCEOであるかのように扱う

「こんなことしていたら仕事を辞めさせられないか?」と自分に聞いてみるぐらいがちょうど良いのです。

昼まで寝たい、書き物をするよりもTV番組が見たい、火曜日の午後にもったいないほど豪華な外食に知人と出かけるなど、そんな時に私はいつも、まるで職場の偉い人であるかのように思い込んで、自分に発破を掛けるようにしています。

インターネットで仕事をする利点のひとつは、実際に昼まで寝れて、TVが観られて、友達と飲みに行けることです。しかし、もちろんそんなことばかりやっていたら何もできません。正直なところ、オフィスで働いていればFacebookもろくに見れませんよね。上司が近くにいれば尚更です。

2. お金が入ってくる仕事を優先する

私が初めて「ビジネス」を立ち上げたとき(当時、それが本当にビジネスとして価値があったかどうかは謎ですが)、一日ざっと34時間ぐらいは自分の仕事のためのウェブサイトを作ることに耽っていました。ウェブデザインは重要でしょうか? もちろん重要ですとも。

では、会社のウェブデザインは、請求書を送ったり顧客からの問い合わせに応えたり、いよいよ初めてのサービス開始することよりももっと大事でしょうか? 答えはノーです。

ビジネスとはお金を得ること。もし、その作業がお金になっていないなら、仕事を持ってはいても仕事をしていないのと同じことなのです。

3. アイデアはまめに集める

起業家といえばアイデア満載の人々です(アイデア豊富な人が必ずしもみな起業家ではありませんが、それでもこのルールはきっと当てはまると思います!)。

クリエイティブな人々というのは、人気映画『トワイライト』のバンパイアよりも素早く、あちらからこちらへ思考が駆け巡るものです。取り掛かった製品が世に出るまでずっと見守り続けるといったことは苦手です。輝いたものが大好きなのです。それはもうキラキラと輝けば輝くほど良いのです。

しかし多くの場合、アイデアは都合の悪い時に限っていきなり降ってきたりします。車の運転中とか、シャワーを浴びている最中とか、ランニングで外に出ている時とか、まさに眠りに落ちる瞬間とか。

そんな時はどうするでしょうか? もし、プロになりたいなら、その浮かんだアイデアを何が何でも閃いた瞬間に書き留めておかなくてはなりません。走るのをすぐさま止め、降りてきたアイデアをメールに書いて自分宛に送るのです。または耐水性のマーカーを買っておいて、シャワー中でも壁に書き出すのです。真っ暗にしてまさに寝ようとしていたとしても、もう一度明かりを点けて、アイデアを書いておかなくてはなりません。 

そうしなければ、アイデアはまた元の場所に戻っていってしまいます。アイデアの女神様は、あなたが真剣に求めていたわけではないのだと判断し、二度と帰って来てはくれないのです。

4. 朝の日課とやらを止めてみる

朝の日課が続けられないのはどうしてだと思いますか? それはあなたが日課を決めた時、普段の朝の自分と相談をしなかったからです。さあ、正直になりましょう。人はいつだって目覚まし時計の音を聞くのはイヤですよね。たとえ朝型人間であっても、朝起きるのは一苦労ですし、人はみなベッドから抜け出るのはつらいことなのです。

ですからこれ以上、事を難しくするのは止めましょう。起き抜けに20キロも走ったり、ヨガをしたり、この世でもっとも健康に良いとされるスムージーを作って飲んだり、小説を書くことにいきなり取り掛かったりして、朝のハードルを上げるのを止めましょう。

「いかに気楽に朝を迎えられるか?」

夜の日課に意識を向けることです。朝ではなく夜のうちにシャワーを浴びておき、朝食は前の晩に用意しておいて、コーヒーは午前7時判半に自動で入れられるようタイマーをセットしておくのです。

翌朝あなたがやるつもりでいることを夜眠る前にやっておいて、翌日は気持ちの良い朝を迎えましょう。

私からのコツは以上です。次はあなたがシェアする番です。あなたは仕事のプロになるためのどんな習慣をお持ちですか?

4 Shortcuts for Becoming a Business Pro (No Matter How Amateur You Feel Right Now) | Dumb Little Man

Courtney Johnston (訳:椎野陽菜)

Photo by Shimelle Laine