「メールでの表現が失礼にあたっていないだろうか...?」日常用語とビジネス用語との狭間で、そんな悩みに直面したことは誰にでもあるはず。しかしそんなときこそ活用したいのが、『「きちんとした敬語と表現」がすぐに見つかる ビジネスメール言い換え辞典』(村上英記著、日本実業出版社)。
たとえば、「はじめに」には例文が出ているのですが、こういうメールが届いたらどう感じるでしょうか?
村上先輩
昨日はおいしいお店に連れて行ってくださり、ありがとうございました。それと、楽しいお話もありがとうございました。
とても参考になりました。また行きましょう。
本当にありがとうございました。
矢木より
著者によれば、上記メールの問題点は次のとおり。
- 短いメール内で「ありがとうございました」が3回も続き、気持ちがこもっていないように感じる。
- 「とても参考になりました」「また行きましょう」など、同僚や目下の人に使うフレーズが含まれ、上から目線を感じてしまう。
- 「◯◯先輩へ」「◯◯より」という宛名や署名はビジネスメールにはふさわしくなく、社会人経験を積んだ人は違和感を覚える。
たしかにこれだけを見ても、ビジネスメールには相応の気遣いが必要であることがわかります。「1.ビジネスメール上達のルール」から、もっとも基本的な部分を引き出してみます。メリットがたくさんあるビジネスメールですが、デメリットや使ってはいけない場面もあるといいます。
1.誰が読んだのかわからない
メールは相手が受信するまでにタイムラグが発生することもあり、無事に到着してもすぐに読んでもらえるとは限りません。
対応策:メール本文に「メールをご覧になったら、恐れ入りますが、ご覧になったという簡単なお返事だけでもいただけないでしょうか」などと一言添えるか、大事な用件の場合は電話をかけて確認。2.相手の反応がわからない
電話と違い、メールでは相手がどう思ったのかがわからないもの。
対応策:「ご不明な点がありましたら、お手数ではございますがご連絡いただけますでしょうか」などのフレーズを添えれば、相手が了解したかどうかを知る手助けになる。3.ケアレスミスが起こりがち
ビジネスメールは違う人に宛てたメールや、作成途中のメールを送信してしまうといったミスも起こりがち。
対応策:送信ボタンを押す前に、以下のポイントを見直す。- 送り先アドレスは合っているか
- 宛名(相手の名前)は合っているか
- 署名は合っているか
- 添付ファイルがある場合、添付を忘れていないか
そして、これも押さえておきたいポイントです。
- 大きなミスをしたとき/まずはメールで謝罪し、ワンクッション置いてから電話をする、あるいは直接謝罪に訪れる。メールだけですませるのは禁物。
- 遅刻・欠勤するとき/基本的に電話で伝える。電話ができない状況であれば、その旨を書き添えてメール。
- 急ぎのとき/1週間前ならともかく、明日・明後日の急な場合は必ず電話連絡。
これらの「基本」をまず確認したのち、2章以降では具体的な用語の意味がわかりやすく解説されています。すぐに使えるものばかりなので、デスクに置いておくのもいいかもしれません。
(印南敦史)