人類の長い歴史において、遠距離恋愛はたえて長続きするものではありません。しかし、インターネット時代の到来で、前に比べればより現実的になりました。
私の経験上、何千マイルも離れているとロマンスや恋愛は異なるものになります。
以前「 離婚する前に聞きたかった...夫婦関係にまつわる5つのアドバイス 」という記事で紹介したように、失敗が最高の学びになることもあります。
私と彼女は、遠距離恋愛の失敗を乗り越え、現在やり直しをしているところ。行動を大きく変えさえすれば、2人の間のギャップを埋めることは可能だとわかりました。
私には永遠の幸せを手に入れる方法や50年の結婚生活を送る秘訣を伝えることはできません。でも、遠距離という問題に対処するためのアドバイスはできると思うのです。
1.コミュニケーションをとるのは確かに大変
どんなにテクノロジーに詳しいカップルでも、主なコミュニケーション手段は、文字、音声、もしくはビデオによるチャットになることが多いでしょう。それまで面と向かって話す時間を過ごしていたなら、これは大きなマイナス要因です。
会話には、人間として交わす相互作用が知らず知らずのうちに現れます。相手の笑顔を見ることができない。隣に座ることができない。怒っているときに見せるいつもと違うしぐさを見分けることができない。文字によるコミュニケーションでは、相手がわざわざ言わない限り、怒っているのかどうかすらもわからないのです。
部屋に入ったら恋人が泣いていたというシチュエーションであれば、その目の前でネコが遊んでいる動画を見るような行為は無神経だと分かるでしょう。しかし、コミュニケーション手段がメッセージのやりとりやメールだけだったら、気付かないうちにそれと同じことをしてしまう可能性だってあるのです。
2.恋人が自分以外の人間と長い時間を過ごすことになる
あたりまえのことですが、あなたが近くにいなければ恋人はどこかで人とのつながりを修復することになります。多くの人が、「一緒の時間を過ごすことほど関係を維持するうえで大切なことはない」と言います。でも何百マイルも離れていると、これを満たすためにはただデジタルの画面越しに顔を合わせることしかできないのです。
ビデオチャットは家から出ることの代わりにはなり得ません。そして、あなたの恋人がコンサートや映画、食事に出かけるとき、それはあなたとではなく、別の誰かとになるでしょう。
嫉妬深いあなたにとって、長距離恋愛以外に選択肢がなくなってしまうほど悩ましいことはありません。そばにいたいのにいられない。この状態は緊張と被害妄想をもたらします。
これを克服するには、できるだけ一緒の時間にいる時間を確保することや、外出の時間をお互いに合わせるのが大事です。それでも、残念ながらあなたが家で一人でいる時に恋人が楽しい時間を過ごしているという、まるで拒絶されているかのような事実を完全に変えることはできません。
そんなときは、「やり過ぎくらいに埋め合わせをする」のが役に立ちます。近所に住んでいるのに、恋人が「あなたがいてくれたら」とメールをしてくるのは、いささか感傷的すぎます。ところがこれを数千マイル離れた状態でやると、その意味は変わってくるのです。
そうすることで、現状が完全ではないと相手に伝えられます。相手の外出に付き合えるのなら必ずや行くであろうことを、確信させられるのです。何カ月も会えないという現実は何も変わりませんが、小さな満足にはつながります。遠距離恋愛中はちょっとした満足が重要な意味を持つのです。
空いた時間に予定を詰め込むことで、不安を軽くすることもできます。毎晩恋人と連絡が取れないことは、自分を磨くチャンスでもあると考えてください。本を読む、パーティーに参加する、何かを作るなど、自分の時間をつぎ込む何かを見つけることでリラックスして過ごせるのです。
3.時差は物の見方を歪める
恋人との間に時差がある場合さらに状況は厳しくなります。関係とは、経験を共有することで築かれるもの。もしあなたが米西海岸に、恋人が米東海岸に住んでいるとするなら、あなたが「寝る時間」は、恋人の「真夜中」にあたり、あなたの「朝イチ」は、恋人にとって「職場に到着して1時間半後」になってしまうのです。
もし恋人との間に時差が何時間もあるならスケジュールを決めるといいでしょう。お互いにとってしっくりくるルーチンを探してみましょう。見つからなければ作るべし。毎週1回、決まった曜日に夜を一緒に過ごすとか、ちょっとしたことでもいいのです。
4.終わりも想定しておく
永遠に状況が変わらないのであれば、どんなに予防しようと、どんなコミュニケーションを取ろうと、あまり意味がありません。一時的にはその状態を維持できるかもしれませんが、恒久的な解決策にはなり得ないのです。長期休暇、恒久的な引っ越しなど、次なる目標がない長距離恋愛は自然と終わりを迎えることになるでしょう。
目標があれば、離れていることのストレスを正当化することができます。インターンで入った会社に何年勤めても、一向に正社員になれる兆しがないばかりかいつから給料をもらえるかすらもわからないという状況を想像してみてください。それこそが、次なる目標のない遠距離恋愛なのです。距離を縮めることがない限り、いつまでも宙ぶらりんな状態が続きます。
少なくともデートのときに、次会う約束を計画しておくようにしましょう。目標を定めることで、恋人とのしばしの別れによるストレスを和らげられるのです。
5.遠距離恋愛の9割は約束
私が人生初の遠距離恋愛に突入した頃、ある友人が問題を正しくとらえるために必要なことを教えてくれました。その友人はこう言ったのです。「遠距離恋愛は恋愛というよりは約束である」と。
友人の警告は誰にでもあてはまるわけではありませんが、確かに遠距離恋愛中は、たくさんの約束を交わすものです。「一緒にいれば何もかも変わるよ」「近所に住んだら、楽しいことをたくさんしよう」「そばにいたなら、食べ物を持って行くのに」。
近距離から始まった恋が遠距離になった場合、その先起こることは想像しやすいかもしれません。しかし、そもそも会ったことがない場合や、一緒にいるよりも離れている時間の方が長いような場合、「幻想」を抑えて、現実的な約束をしたほうがよいかもしれません。
記事の冒頭にも書いたように、私は、永遠に続くパーフェクトでハッピーな恋愛について語ることはできません。それから、この記事が遠距離という問題に役立つとも言いきれません。
でも、これだけは言えます。問題は必ず克服できると。遠距離の状況から脱して、厄介で混沌としたよくある恋愛をするには多大なる努力が必要ですが、不可能ではないのです。
Eric Ravenscraft(原文/訳:堀込泰三)
Photos by Courtney Carmody, Candian Film Centre, Rebecca Partington, Kevin Dyke Designz, and kayla.