ペースの早いビジネスカルチャーでは、一度に山のような量の仕事をこなす忙しい人が褒め称えられています。しかし、ビジネスコーチのDave Crenshaw氏は、一般的なマルチタスクは生産性を下げてしまうと反論しています。
彼は新著『The Myth of Multitasking: How "Doing It All" Gets Nothing Done(マルチタスク神話~全てをこなす=何も終わらせられない)』で、運動をしながらテレビを見るような「バックグラウンド・タスキング」と、集中力を維持するために2つのタスクを交互に行うことで、かえって切り替える時間を無駄にしてしまう「スイッチ・タスキング」の違いを述べています。
集中力が下がる時間を減らし、従業員が次の作業も全力で集中して、タスクを完了させる環境を作るにはどうすればよいのでしょう。以下はマルチタスクに関しての認識を変えることをテーマとした、米LiefhakerからCrenshaw氏への質問とその答えです。米Lifehacker:個人の生産性についての本を読んだ経験がある人は知っている内容でしょうが、複数のタスクを交互に作業すると高い負担がかかります。しかし、しっかりとした知識を持っているのと、ルーティンを変えてスイッチ・タスキングを減らすことは全く別です。ルーティンを変えるために日頃スイッチ・タスキングを行う人は何をすべきだと思いますか?
アメリカで喫煙率が下がっている原因は、タバコが社会的に受け入れられなくなってきているからです。もし、マルチタスクが社会的に受け入れられなくなれば、同じようにみんが変わり始めるでしょう。
しかし、私は最終的に人が変わるには、1対1での訓練かセラピーが必要だと気が付きました。それこそ、まさに私が「TimeGym program」を作ったきっかけです。本の中のワークシートは、読者自身が彼らのスイッチ・タスキングの影響を体験するために役に立つでしょう。
- あなたを妨害する人と定期的なミーティングをする機会が作れますか? 私の経験上、これで妨害される回数を簡単に減らせます。
- リーダーがスイッチ・タスキングの影響に注目するようにし、上司に関連した本をプレゼントとして渡すと、やんわりと問題を伝えることができるようです。
一般的に、企業は生産性に問題があると認識していますが、どう前進すべきなのかわからずにいます。認知度は上がっていますが、今後10年でさらに注目されるようになり、改善されるのではないかと考えています。
テクノロジーの使い方において、一番重要なのはタイミングです。テクノロジーを単に遮断してしまうのは、板に釘を打つために石や手を使うようなことです。そんな時に必要なのは、例えば、スキルトレーニングや「ファイヤーウォールする(必要な情報のみを取得する)」ことです。これは非常に素晴らしいスキルで、切り替えの回数を減らすことに役立ちます。覚えておきたいスキルの1つで、生産性だけでなく、メンタル面でも重要になってきています。
まとめ:スイッチ・タスキングを減らすためのヒント
それではいよいよ、スイッチ・タスキングを減らし、時間を有効利用するために、Crenshaw氏からのヒントを紹介します。
あなたのオフィスそのものがスイッチ・タスキングの温床になっていませんか? もしくは、あなたが邪魔されず10分間集中して仕事をするために必要な時間とスペースが確保されていますか? 絶え間なく受信ボックスの確認をしていたり、レポートや計算をしているべきなのに新しいメールを打ったりしていませんか?
Gina Trapani(原文/訳:Rhyeh)