ランニングによる怪我の多くは、回内運動(プロネーション)に関連しているという定説があります。回内運動とは、足を着地する時に、内側もしくは外側にひねっているかどうかということです。
しかし最近の研究によって、回内運動は怪我とほとんど関係ないことが分かりました。ランニングシューズにより回内運動を修正することで、怪我を防げると思われていましたが実際には違ったのです。医学雑誌「British Journal of Sports Medicine」に載っていた新しい研究では927人の初心者ランナーを対象に、怪我をするときの場所・靴のタイプなど、様々な項目について1年間追跡調査をしました。
そして、回内運動は怪我にはまったく関係がないことが分かりました。この結果について、米紙「New York Times」では以下のように説明しています。
足のタイプによって自分のシューズを選ぶランナーは、適当に靴を選んだランナーと同じような確率、時にそれよりも高確率で怪我をするという意見を、この結果は裏付けるものです。
新しい研究の主任でAarhus大学博士課程研究員のRasmus Ostergaard Nielsen氏は、回内運動の逸脱レベルが異常であっても、怪我を引き起こすものではないと言っています。
もしランニングに関する怪我を避けたいのであれば、体重、練習方法、動き、年齢、以前の怪我歴をみた方がいいそうですよ。
A Popular Myth About Running Injuries | The New York Times
Thorin Klosowski(原文/訳:的野裕子)
Photo by Tony Alter.