「健康的な食生活」。口で言うのは簡単ですが、体に良いとされる食べ物が苦手な人や、好き嫌いの多い人にとっては、実現がなかなか難しい目標です。けれども、幼児レベルの味覚しかない人や、健康食品にうんざりしている人でも、簡単なコツを知れば、食生活を改善することができます。
「健康食品」と言っても、味気のないものばかりではありません。とても安くて簡単に料理できるものもあります。健康的な食習慣を長続きさせるためには、簡単でささやかなことから始めてみたり、食事に対する考え方を変えてみたりすると良いでしょう。いくつかのコツを紹介しましょう。
ヘルシーな食品を、好きな食品と組み合わせる
好き嫌いの激しい子どもを持つ親がよく使うのは、「ほかの食べ物の中に野菜を隠す」という方法です。一般的には甘い食品の中に忍ばせることが多いようですが、いつもうまくいくとは限りません。このアプローチをもう少し洗練されたものにして、「大好きな食べ物」と「食生活にもっと取り入れたい食品」を組み合わせてみると良いでしょう。Photo by Matt Scott.- ケールは非常に栄養価が高い食品です。ソーセージやベーコンと組み合わせれば、おいしく食べられるかもしれません。
- ベーコンとの組み合わせは、どんな食材にも応用できる方法です。適量のチーズを加えても、料理をおいしく変えることができます。
- 最近の調査によると、ハンバーガーにアボカドをトッピングするだけで、赤肉がもつ炎症効果を抑えられることがわかっています。
- ブロッコリーとマスタードの組み合わせは、野菜の味を良くするだけでなく、栄養価も高めてくれます。
- パスタや穀物類の料理に野菜を使うと、野菜の味が気にならなくなります。いつものトマトソースの代わりにバジルペーストなどのヘルシーなソースを使ってみましょう。
- 料理が苦手でも、健康的な食生活を送ることはできます。スムージーなら簡単に作れますし、栄養価も抜群です。果物やほかの材料と混ぜれば、ホウレンソウの味にも気づかないかもしれません。
- 風味に欠けるという理由で健康食品が苦手な人もいます。この問題を解決するには、まずは質の良い食品を買うようにしましょう。新鮮であればあるほど良いでしょう。農産物の直売所や地産地消を推進するCSA(Community Supported Agriculture)などの団体が人気なのは、それが理由です。次に、料理にスパイスを加えて自分好みの味に仕上げます。塩コショウのほかにも、チリソース、オリーブ、ドライトマト、サルサソース、テリヤキソース、ピーナツバター、ニンニクなども調味料として使えます。グルメのように料理を味わってみれば、繊細な風味を楽しめるようになるかもしれません。
別の料理方法を試してみる
つい数年前まで、筆者は卵が嫌いだと思っていましたが、今や卵と卵料理に夢中です。これまで卵料理といえばスクランブルエッグとオムレツしか知らなかったのが、それ以外の方法を見つけて、気持ちが変わったのです。Photo by James Jordan- カリフラワーやブロッコリーを、蒸したり茹でたりする代わりにローストしてみましょう。驚くべき発見があります。まだ試したことがない方は、ぜひどうぞ。
- 缶詰の野菜ではなく、新鮮な野菜や冷凍の野菜を試してみましょう。冷凍された野菜が、新鮮な野菜よりもおいしい場合もあります。
- サーモンの脂っこさやカキの塩辛さなど、苦手な魚介類がある場合は、ティラピアなど味がマイルドな白身魚を試してみるのも良いでしょう。
- ケールのチップスは、意外にも、栄養価の低いほかのチップスとほとんど味が変わりません。
- 食品のブランドを変えてみるのも一策です。例えば、同じスープでも、キャンベル社とAmy's Kitchen社のものでは味が全く異なります。
- ジューサーの導入をきっかけに、野菜との関係が変わるケースもあります。以前は嫌いだった野菜が食べられるようになった人もいます。フレッシュジュースは、ジューサーだけでなく、フードプロセッサーでも作れます。
- 野菜の味が強すぎると感じる場合は、ミニキャロットなど、「ミニ」や「ベビー」と名前の付くものを試してみましょう。味が少しまろやかです。
好きな健康食品をたくさん食べて、そのほかを減らしてみる
ケールなどの栄養価の高い食品を無理に好きになる必要はありません。自分の好きな健康食品に限って食べる量を増やすだけでも、食生活が健康的になります。シチューやシェパーズパイ(ひき肉と野菜を煮込んだものにマッシュポテトをのせて焼いた料理のこと)のような料理を作る時には、野菜の割合を多くして、肉や炭水化物を減らしてみましょう。
「The Kitchn」のウェブサイトでは、健康的な食生活を始める簡単な方法として「レシピにある野菜の量を2倍に増やす」ことを提案しています。特に、野菜を多く使った料理の場合は、2倍に増やしたところで味や楽しみに影響は出ないはずです。
肉を食べる量を減らしたい場合は、「月曜日は肉を食べない日」とか、「週に1回は肉なしのランチにする」など、創造力を働かせてチャレンジしてみましょう(「Meatless Monday」のウェブサイトも参考になります)。また、串焼きにしたり、骨が付いたままのものを使ったり、煮込んだりする方法でも、食べる肉の量を減らすことができます。
小さなことから始めてみる
どんな良い習慣でもそうですが、「健康的な食生活を送る」というチャレンジを長続きさせるには、少しずつ慣らしていったり、まずは短期間だけ試してみたりするのが効果的です。
ランチ用のお弁当を変えてみるだけでも、ほかの食事や間食に良い影響が出てくるかもしれません。試食のような感覚で体に良い食べ物を味わうのも、より多くの食品を長く楽しむための方法です。
徹底的にやってみる
先述したCSAに参加したことで、以前はほとんど野菜を食べなかった筆者の食生活と料理の習慣は大きく変わりました。食材が毎週配達されるおかげで、新しい野菜を試すようになっただけでなく、料理の腕も上がったのです。
CSAに参加しなくても、食材を毎週配達してくれるサービス(米国内ではBlue ApronやPlatedなど)を使えば、新しい食べ物と出会うチャンスが広がります。こうしたサービスでは、週に1~5回分の食事の材料とレシピが送られてくるので、それまで知らなかった食材を使って、豪華な料理を自分の家で作ることができます。筆者がローストしたカリフラワーのおいしさに出会ったのも、Blue Apronがきっかけです。
食事をもっと楽しんでみる
食事の時間をより楽しいものにするために、友達とディナーパーティーを開いたり(ヘルシーな食生活を送る友達となら、なお良し)、素敵なレストランに行ったり、新鮮な材料を使って料理を作ったりしてみましょう。自分の食べるものに気を配るようになれば、味覚が豊かになり、自然の恵みをより楽しめるようにもなります。
そして、食べものの好き嫌いが激しい人も、ステーキとポテトしかおいしそうに見えない人も、自分にあまり厳しくしすぎないようにしながら、チャレンジを続けましょう。大変なことですが、その苦労に見合うだけの価値はありますよ。
Melanie Pinola(原文/訳:兵藤説子/ガリレオ)