近年、クラウドファンディングは、独立系クリエイターの新たな資金調達手段としても注目されていますが、この仕組みと有料ベースの限定コンテンツを組み合わせたようなユニークなオンラインプラットフォーム「Patreon」をご存知でしょうか。このオンラインプラットフォームは、ミュージシャン・映像作家・ブロガー・フォトグラファー・作家らがコンテンツ製作に必要な資金を調達するためのクラウドファンディングサービスを提供。一般ユーザは、応援したい人に資金を提供し、その金額に応じて「特典」を得られる仕組みとなっています。
映画製作プロジェクトといった比較的金額の大きい特定のプロジェクトについて資金調達する一般的なクラウドファンディングと異なり、「1楽曲につき1ドル」、「動画コンテンツ1本につき2ドル」といったように、アーティストの創作活動に対して、定期的・継続的に資金サポートできるという点が、Patreonならではの特徴です。
たとえば、米サンフランシスコのミュージシャンLauren O'Connell(ローレン・オコネル)さんは、Patreonを通じて、彼女が製作する楽曲への資金調達を実施中。1楽曲あたり1ドルを提供すればサポーター限定のストリーミングが閲覧でき、3ドルならストリーミングに加え、楽曲のダウンロードも可能です。
Patreonは、アーティストやコンテンツクリエイターにとって、創作活動のための資金調達の場だけでなく、新たなファン層の獲得や、熱心なファンとの密なつながりを促す場でもあります。また、一般ユーザにとっては、これまで知らなかったミュージシャン・アーティスト・クリエイターと出会え、「投げ銭」感覚で彼らの創作活動を応援でき、このサポーターしか得られない特別な「ご褒美」までもらえるのは魅力ですね。
2013年5月に開設されたばかりということもあり、資金調達を実施しているアーティスト・クリエイターの数は、まだそれほど多くありませんが、ご関心のある方は、ぜひこちらのページを覗いてみてください。
(松岡由希子)