私のかつての上司は、マイクロマネジメントタイプ、部下の行動を細かく管理し、裁量権を一切与えない管理者でした。毎朝オフィスに出勤すると、デスクの上にきれいにプリントアウトされたToDoリストが置かれていました。上司が作ったものです。ToDoリストといっても、よくある箇条書きのリストではなく、タスクの詳細な作業手順が何ページにもわたってびっしり書き込まれており、まるでマニュアル本のようでした。

分厚いToDoドキュメントをながめながら、毎朝同じ疑問が浮かんでいました。ここまでするなら、上司が自分でやったほうが時間の節約になるんじゃないのか? しかし、マイクロマネジメントはこれで終わりませんでした。上司は、進捗を確かめに何度も私のところへやってきました。そして、ToDoタスクを細かく追加したり変更したりしました。とにかく、私が自分のやり方で仕事をするのを許してくれませんでした。

しばらくの間、私は絶望感に浸っていました。上司がその高圧的なマネジメントをやめてくれるとは思えなかったからです。しかし、いろいろ試行錯誤しているうちに、上司の態度を変えさせる方法があることに気づきました。以下、私の実体験からのアドバイスです。

1.上司の心配を取り除く

まず第一に、自分の勤務態度、生産性、作業実績を振り返り、上司を心配させる要素がないか徹底的に調べてください。仕事に投げやりな態度を見せていないか? 遅刻はしていないか? 締め切りを破っていないか? もしどれか当てはまるなら、上司があなたを厳しく管理したくなるのも当然。上司はあなたが仕事をやり損なうのではと心配しているのです。

2.上司の求めていることを予測し、前もってやる

上司が書いてくるToDoタスクは、あらかじめやることになっているものばかりでした。また、毎週決まった曜日になると、「今日は週間スケジュールを提出する日だということを忘れないでね」とわざわざいいにきました。毎週同じ曜日に提出しているのですから、忘れるはずもないのに...。結局、上司は念を押したいだけなのです。

マイクロマネジメントから抜け出す第一歩は、上司が求めているタスクを予測し、前もってやってしまうことです。上司が確認に来るたびに、「○○はすでにあなたのデスクに置いてあります。お確かめください」と返答していれば、次第にうるさくいってこなくなるでしょう。あなたがやるべきことを期限通りにきちんとこなす人なのだと理解すれば、常に監視しなければという気持ちも和らいでいくはずです。

3.自分から進捗を報告する

マイクロマネジメントをする上司は、すべてを自分の管理下に置きたいだけなのです。一日に何度も進捗を聞きにくるのも、作業手順を細かく指示するのも、すべてが予定通りに進行していることを確かめたいからです。そこで私は、自分から進捗を報告するようにしました。これは効果がありました。しばらくして上司は、これからは一歩引いて私に仕事のやり方を任せるといってくれるようになりました。

他にも方法はあります。例えば、小さなプロジェクトを最初から最後まで自分の裁量に任せてほしいとお願いしてみるのです。プロジェクト終了後に一緒にレビューを行い、改善点について話し合うことにしませんかと持ちかけてみます。自分にとって大きな学びのチャンスになるはずだと説得しましょう。プロジェクトを成功させれば、上司もあなたが安心して任せられる人だとわかるでしょう。

そして、上司があなたの望みを聞いてくれたら、感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。「プロジェクトを任せてくれてありがとうございました。自分で計画を作り、試行錯誤する経験が、マネジメントスキルの向上にとても役立ちました。今度はもっと大きなプロジェクトにも挑戦してみたいです!」

上司のマネジメントスタイルを変えさせるのは簡単ではありません。時間もかかるでしょう。しかし、仕事の実績を通じて、あなたが信頼できる人物で、真面目で徹底していることを示せば、いずれはわかってもらえる日がくるはずです。

How to Manage a Micromanaging Boss | The Daily Muse

Katie Douthwaite(原文/訳:伊藤貴之)

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