メールが次々と届き、いっぱいになった受信ボックスを前にして頭を抱えていませんか。その対策として、著者は以前、内容、送信者、プロジェクト、緊急度、時期的な話題別にフォルダを作成していました。

フォルダの数は増える一方でしたが、メールを1件1件受信ボックスからフォルダに移しつつ、そんなものだろうと考えていたのです。やがてフォルダは把握不能な数にまで増え、どうしようもなくなってしまいました。せっかく作ってメールでいっぱいにしたものの、ほとんど開くことのなかったフォルダさえあったのです。

それ以降、フォルダは3つまで減らしました。名づけて「3つのフォルダシステム」です。行動に基づいたシンプルなフォルダを数個だけ持つことで、メールのチェックや削除に始終頭を悩ませる必要がなくなりました。

3つのフォルダシステム

「フォローアップ」「アーカイブ」「ホールド」の3つのフォルダを作ってみましょう。分類の仕方は以下のとおりです。

  1. フォローアップ

  2. このフォルダには、処理しなければならないメールを入れてください。返信を書くのに2分以上かかる、あるいは何らかの対処が必要なメールです。このフォルダ内のメールは、そのままToDoリストともなります。ちなみに、2分以内に返信できるメールはすぐその場で処理しましょう

    ウェブサイトのアップデートを依頼するメールや、「ゆっくり時間をとって返事を書きたいメール」などが、このフォルダに入ります。確実に処理するためにも、フォルダの中身を定期的に確認しましょう。

  3. アーカイブ

  4. 「アーカイブ」フォルダは、長期にわたってメールを保管する資料庫とも言えます。将来何らかの理由で必要になるかもしれない情報が含まれたメールは、すべて入れましょう。

    やりとりが終了した一連のメール連絡、依頼や要望に対する返信メール、確認済みの連絡事項、質問に対して送った返答メール、終了したプロジェクトに関するやりとり、そういったものはアーカイブに保存します。基本的には、やり取りは終了しているものの、いずれ役に立つかもしれないメールが入ります。

    なんでもアーカイブに放り込むなんて、ファイリングにこだわりを持つ方には耐えられないかもしれません。私も最初はそうでした。しかし、保管というよりは検索が可能な「蓄積」と考えてみましょう。検索クエリさえ工夫すれば、どんなメールでも見つけることができます。

  5. ホールド

  6. 「ホールド」フォルダは、数日中に処理が必要な大事なメールを一時的に保管する場所です。大事な連絡が届くのを待っている時や、時間に制約のある仕事についてメールでやり取りをしている時は、ホールドフォルダにメールを入れましょう。

    仕事管理術のひとつとして、ホールドフォルダ内のメールとTo Doリストを数週間ほど先まで同期させるのもいいかもしれません。

    例えば、荷物の追跡番号を知らせる宅配業者からのメールや、「その案件については火曜日におって連絡します」といった内容のメールなどは、ホールドファイルに保存すべきです。

    定期的な確認を忘れずに行い、保存不要になったメールは削除しましょう。

受信ボックスを空にする

さて、「信頼できる3つのフォルダシステム」はうまく整いました。次は、受信ボックスを空にする番です。何カ月分ものメールで受信ボックスがいっぱいになっている場合でも、つい先日受信ボックスを空にしたばかりで十数件しかメールが入っていない場合でも、やり方に変わりはありません。では、一番古いメールから開けていきましょう。

  • 1分以内に返信や処理が可能なメールは、すぐその場で対応してから、アーカイブに移しましょう
  • 対応に1分以上時間がかかるメールは、フォローアップフォルダに移しましょう
  • 連絡や約束待ちのメールは、ホールドフォルダに移しましょう
  • 不要なメールは削除しましょう

受信ボックスが完全に空になるまで、メールを1件1件、徹底的に洗い出していきます。

常に空っぽの状態に

受信ボックスが空っぽになったら、その状態を保てるよう、1日に数度このプロセスを繰り返します。メール処理の時間を、朝一番、昼食後、午後に1回、というように、1日のスケジュールに組み込んでしまいましょう。そして、この習慣を必ず守ってください。

読み終えたメールは受信ボックスに放置しない

受信ボックスのメールを読み終えたら、行き先はその場で決めてください。すぐに返信するにせよ、フォローアップやアーカイブ、ホールドフォルダに入れるにせよ、放置せず、今後届くメールのために受信ボックスは常に空にしておきましょう。メールはどんどんやってきます。

問題点

すべてのメールがフォローアップ、アーカイブ、ホールドのフォルダにきちんと分類されたからといって、それでOKというわけではありません。このシステムの一番難しい点は、フォローアップとホールドフォルダを絶えずチェックし、残された「中途半端な仕事」を完了していくことです。空の受信ボックスを前にして思わず達成感に浸ってしまわないよう、ホールドとフォローアップフォルダのメールはすべて未読にしておきましょう。そうすれば、未処理案件の数が一目瞭然です。

注意事項

もちろん、このシステムがそっくりそのまま、状況を問わずに万人に当てはまるわけではありません。私のLifehacker用Gmailには、3つのフォルダに加えて、Lifehacker仕様のフォルダがいくつかあります。ただし、新しいフォルダを作成する時は、まずじっくり考えるようにしています。新たに加えたフォルダは結局、じきに不要になるか、検索したメールを一時的に保存するためであるケースが多く、やがては削除されます。一方、信頼できる3つのフォルダは決してなくなりません。

Gina Trapani(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)

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