1. 働き方
  2. 目のつけどころ
  3. 自分に対する期待値

の3点に主軸を置き、「すごいプロジェクト」を立ち上げるためのアイデアが記されている『平凡な仕事をすごいプロジェクトに変える教科書』(安東邦彦著、WAVE出版)。第2章「成功するプロジェクトはここがちがう!」から要点を拾ってみましょう。

ビジョンを勘ちがいするな!(46〜ページより)

どんなプロジェクトを立ち上げるにしても、なにより先にやらなければならないこと、それはビジョンを正しく描くことだと著者はいいます。ビジョンとは、「夢を出発点とした、未来の自分たちのあるべき姿」。その姿を明確かつ具体的に描くことが、もっとも重要だというわけです。

・夢:ビジョンの出発点となるもの。「自分のための夢」と「誰かのための夢」があり、誰かのための「社会的な夢」がビジョンの出発点になりえて、個人的な夢ではプロジェクトは成長できない。

・ビジョン:社会的な夢を実現させるためのあるべき姿。

  1. 世の中にどんな問題があって
  2. 誰が困っているのか
  3. その問題をどんな方法で
  4. どう解決するか
  5. それによって、社会(困っている人)はどう変わるのか

の5つのポイントを押さえてつくることが重要。そして、言語化することが大事。

ビジョンを正しく描くには(52〜ページより)

ビジョンを描くというと難しく聞こえるかもしれませんが、ひとりよがりの夢を捨て、「誰かのための夢」、つまり世界のためになにができるのかを考えればいいそうです。そのための質問は次のとおり。

  1. 世の中にどんな問題があって
  2. 誰が困っているのか
  3. その問題をどんな方法で
  4. どう解決するか
  5. それによって、社会(困っている人)はどう変わるのか?

この質問に答えるだけで、「自分が他者のためにできること」が明らかに。そしてその結果、プロジェクトが存在する理由も、「未来の自分たちのあるべき姿」も見えてくるといいます。たとえば、

  1. 世の中にどんな問題があって → 経営改善や新規プロジェクトのアイデアが浮かばないという問題がある
  2. 誰が困っているのか → 経営者やプロジェクト・リーダーが困っている
  3. その問題をどんな方法で → 起業塾、コンサルティング、経営者やプロジェクト・リーダー向けのセミナーで
  4. どう解決するか → 原因の発見と解決策のヒントとなる情報とツールを提供することにより解決する
  5. それによって、社会(困っている人)はどう変わるのか? → 自分の力で会社やプロジェクトを育てられるようになる

これが、会社のメンバー、協力してくれている仲間たちが顧客のためにできることだそうです。なにができるかが明確になれば、そのためにどんな姿を目指すべきかも見えてくるというわけです。

大切なのは、「小さくスタートして大きく変化させること」。そのためのヒントが、本書には数多く隠されています。ご一読をおすすめします。

(印南敦史)