人はたいてい、朝型人間と夜型人間に分かれるようです。頭がすっきりして、思考力が高まり、仕事がどんどんはかどる時間帯は、朝か夜か、どちらかひとつというわけです。

とはいえ、一番集中できる時間帯に頭を使うのがベストだというわけでもありません。The Creativity Postの記事は、創造力は意外な時に発揮されると指摘しています。脳が最大の力を発揮するタイミングは体内時計が決めています。そのタイミングが訪れると、集中力が高まり、作業記憶(The Creativity Postが呼ぶところでは「柔軟性のある心のメモ帳」)を必要とするタスクが達成できるのです。何かを分析したり、謎を解明したりという複雑な認知的タスクに取り組むなら、朝型人間には早い時間帯、夜型人間には遅い時間帯がぴったりです。

けれども、創造力を発揮して直感で対処する「洞察的タスク」については、話は別です。研究者Mareike Wieth氏らは、こうした作業には、頭がすっきりしない(一番集中できるとは思えない)時間帯に取り組むのがベストだと話します。

Wieth博士ら研究グループは、被験者を集め、まずアンケートに答えてもらいました。夜型人間か朝型人間かを見極めるためのもので、最も覚醒している時間帯を、極めて高い確率で判定します。その後、午前8時30分~9時30分、もしくは午後4時30分~5時30分のどちらかの時間帯に被験者を研究室に集め、洞察的な問題と解析的な問題を解いてもらいました。

その結果、解析的な問題の場合は、1日の中で最も頭が冴えている時間帯の解答が、そうでない時間帯を若干上回ったものの、洞察的な問題の場合は、クリエイティブかつ正確な答えがはるかに多かったのは、被験者が頭のキレが悪いと答えた時間帯でした。

この研究は、眠気と酔いをうまく使うと、創造性の向上につながるという研究結果を、さらに裏付ける結果となりました。

ですから、計算問題や論理的思考を求められるタスクに取り組まなければならない時は、1日の中で頭が最も冴えている時間帯を選びましょう。いっぽう、クリエイティブな発想が必要なら、それとは正反対の時間帯に取り組んだ方がよさそうです。

より詳しいアプローチについては、米LH記事・クリエイティブなスイートスポットを見つける方法、または、こちらも米LHの記事・朝型人間・夜型人間セルフチェックをご覧ください。自分が朝型か夜型か、あるいはその中間かがわかります。

Melanie Pinola(原文/訳:遠藤 康子/ガリレオ)

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