上司が最悪だと、プライベートな生活まで悪影響を受けてしまいます。ほら、花の金曜日に残業を強いられるなんて悲しいことだって...。でも、そもそも上司を最悪にさせない、うまい方法があります。まずは、上司が何を期待しているのかを把握すること。そして、上司があなたを管理するのなら、あなたも上司を管理すれば良いのです。一方通行の関係ではなく。
部下の側から上司を管理して、仕事をより進めやすくすることを「マネージング・アップ(managing up)」と言います。まさしく「言うは易く行うは難し」ですが、不可能ではありません。
一番の鍵は、上司の好むコミュニケーション・スタイルを知ることです。つまり、あなたが最優先にしている仕事について、どのくらいの頻度で報告を欲しがっているか、報告にはどの方法が良いか、などです。多くの場合において手始めとなるのは、報告に都合の良いタイミングを、上司に直接尋ねることです。相手の望み通りのタイミングで話ができるようになれば、良い関係が生まれ、あなたの本来の業務もうまくいくはずです。仕事術ブログ「HR Bartender」に、こんな事例が載っています。
ある上司とは、スケジュールを合わせるのがすごく大変でした。彼女がいつも忙しくしていたからです。日中にアイデアを提出しても、気もそぞろで、こちらの求める注目は得られないことがほとんどでした。話すのに最適なタイミングは、彼女が帰宅中、車を運転しているときでした。それで、終業後も居残っておいて、上司に「帰りの車の中から電話してください」とお願いするようにしました。それで話し合いができました。たっぷりと。この時間は貴重でした。
別の上司は正反対。彼は朝、とても早くに出社します。そして、スターバックスが好き。毎朝のように管理職のオフィスの前をウロウロしては、一緒にスターバックスに行く相手を探していました。同僚たちには朝早くに来るという発想がなかったのですが、私は早起きをして、一緒にコーヒーを飲みに行く重要任務をこなしました。なぜかって? 上司と話す貴重な時間が持てるからです。
このブログではさらに、部下と無駄話するのを好まず、アイデアや連絡事項は書面で受け取りたいという上司の事例も紹介しています。こうした上司のもとでは、報告を短く簡潔にまとめる技術が身に付きますね。
上司の求めるような報告さえしておけば、過度な干渉はされなくなり、重要な仕事に割ける時間が増えます。「上司は、私が別の仕事を優先すべきだと考えているのかも」などと心配する必要もありません。
「マネージング・アップ」という言葉は誤解されていることも多いのですが、突き詰めれば、上司とのコミュニケーション方法を工夫し、相手の求める情報をたえず伝えるようにすることです。上司と良い関係を築ければ、仕事の優先順位や時間の使い方について、こまめに確認を取れるので行き違いも生じないのです。
Learn How to Manage Up | HR Bartender
Alan Henry(原文/訳:江藤千夏/ガリレオ)
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