『知っておくと恥をかかない初対面の常識』は、新社会人はもちろんのこと、素朴な疑問を「聞くに聞けない」まま過ごしてしまった(ありがちですよね)ビジネスパーソンにとっても役立つ書籍。

人間関係の専門家たちに「正しい初対面」を徹底取材し、「話し方・聞き方」「身だしなみ」「マナー」「緊張感のほぐし方」とあらゆる側面から、「恥をかかない」ための常識を解説しているからです。イラストや図版も豊富で、読みやすいところも魅力。なかでも言葉づかいの間違いは「恥」につながりやすいだけに、「損をする言葉づかい」という項目(77ページ)からいくつかを引き出してみます。不信感を持たれる言葉

・たぶん〜です

相手ははっきりした答えを求めているだけに、「あなたの推論など聞いていない」と不快に思われる可能性あり。正しくは、「すぐ確認いたします」だそうです。

・一応〜しました

責任逃れ、やる気のなさ、プロ意識の欠如といったイメージを持たれてしまうかも。余計な一言を加えず、ハッキリと伝えるのが正解だそうです。

・とりあえず〜しました

「一応」と同じく、中途半端でその場しのぎの印象を与えてしまうのだとか。この場合も、余計な一言を加えることなくハッキリと伝えるべき。

・基本的には〜です

意味なく使ってしまいがちですが、相手をモヤモヤさせることもあるので、余計な言葉は使わないほうが無難だといいます。

若者言葉

・ヤバい

代表的な若者言葉ですが、プラスの意味なのかマイナスの意味なのか、真意が相手に伝わりにくい。プラスならば「大変感動しました」など、マイナスなら「非常にまずいですね」などにすべき

・私的には〜です

軽々しさや、偉そうな印象を与えてしまう危険性あり。「私は〜と思います」「私としては〜と考えます」が正解。

使いがちなNG表現

・大丈夫です

「私は大丈夫です」という、完全な自分主体の発言になるため、目上の人から「判断するのはあなたじゃない」と不快に思われる可能性があるそうです。「可能です」「ぜひそうしてください」などと言い替えた方がいいといいます。

・うんうん/はいはい

あいづちとして使いがちですが、適当に聞いている印象を与えてしまうとか。「うん」ではなく「はい」と答え、あいづちは一回で言い切るのが正解。

「初級編」「中級編」「上級編」に分かれている「得をする敬語表現」の、初級編からもいくつかご紹介しておきましょう(78ページより)

得をする敬語表現(初級編)

・名刺交換をする場合

はじめまして。わたくし◯◯社の××と申します。

社名とフルネームを伝えるのが基本。

・名刺をもらった場合

△△様ですね。頂戴いたします。

名前の読みがわからないときは、その場で「失礼ですが、お名前はなんとお読みすればよろしいですか?」と確認します。

・食事に誘われたが、行けない場合

あいにくですが都合がつかず、ご一緒できません。

「申し訳ございません」「すいません」を添えると、さらに丁寧な印象に。

他にもシチュエーションに対応した常識がわかりやすく解説されていますので、営業マンの方などは、バッグに忍ばせておいてもいいかもしれません。

(印南敦史)