お客さんやクライアント、上司や先輩に何か頼みごとをする時、言い方や書き方に困った経験ってありませんか? いや、困っただけならまだしも、自分の本意に反して相手を怒らせちゃった...なんて話も、しばしば耳にします。
そうなる前に、もしくは同じ失敗を繰り返す前に、ぜひとも使い方を覚えてほしいのが「クッション言葉」です。クッション言葉とは、ビジネスシーンで使われる「言葉の前に添える言葉」のこと。会話の相手に対して「依頼」「拒否」「異論・反論」などの意思を伝える際、直接的・強制的な表現を避け、丁寧でへりくだった印象を与えられます。文字どおり、言葉のクッションですね。
以下、代表的なものを列記しておきます。細かい言い回しは具体的なシチュエーション次第なので、その都度、用途を間違えないように注意しながら使い分けましょう。
・恐縮ですが〜〜
・お手数ですが〜〜
・よろしければ〜〜
・恐れ入りますが〜〜
・差し支えなければ〜〜
・申し訳ございませんが〜〜
・勝手を申し上げますが〜〜
・ご面倒をおかけしますが〜〜
・お手をわずらわせますが〜〜
・ご多忙中とは存じますが〜〜
・残念ながら〜〜
・恐縮ですが〜〜
・せっかくですが〜〜
・あいにくですが〜〜
・身に余るお言葉ですが〜〜
・申し訳ございませんが〜〜
・申し上げにくいのですが〜〜
・お気持ちはありがたいのですが〜〜
・僭越ながら〜〜
・失礼かとは存じますが〜〜
・お言葉を返すようですが〜〜
・たびたび申し訳ございませんが〜〜
・重ね重ねお手数をおかけ致しますが〜〜
ベーシックな使い方としては、依頼の時は「クッション言葉+理由+お伺い表現」、拒否や異論・反論の時は「クッション言葉+理由+代案」という組み合わせが、もっとも差し障りないでしょう。話し言葉だけでなく、メールなどの文面でも、考え方は同じです。
また、「丁寧に!」と考えるあまり、クッション言葉や丁寧語を重ねすぎてまわりくどくしてしまっても逆効果なので注意しましょう。
言いにくいからこそ「ゆっくり、柔らかく、シンプルに」を心がけると、相手もコチラの本意を汲み取ってくれるはずですよ。
(奥洋介)
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