手書きでスペリングの練習をするのは無意味で、たんなる先生の嫌がらせ? そうではない、と専門家は言います。それどころか、子どもをさらに賢くする、と。
「Health Key」の記事によると、「子どもは手書きでスペリングの練習をした方が、ただ文字を見たり唱えたりするよりも、認知能力が向上する」という研究結果が出たそうです。手書き練習はさらに、復唱とは違った、大人に近い脳の活性化パターンを生み出します。
また、「作文も手書きにした方が、コンピューターを使ったときより書く量が多く、スピードも速い上、文法ミスも少ない」という研究結果が報告されています。こうした研究結果は直観的に納得がいきます。先ほどの記事で、作業療法士のKatya Feder氏は、文字を手で書くことで、「運動神経系が脳へと統合されるのです」と語っています。手で文字を書くときの身体の動きは、キーボードで書いているときとはかなり異なります。
タイプされた文字はどれもほぼ同じですが、手書きの文字にはひとつひとつ味わいがあると思いませんか。手書きでスペリングの練習をさせられた子どもの方が、アルファベットにより慣れ親しむのも不思議ではありません。ペンを手にした方がすらすらと文章が書ける上、中身も濃く豊かになるのも、驚くことではありません。筆者も、文章を書けなくなったときに、それを乗り越えるべく手書きで文章を書いてみたそうです。それ以来、すっかり手書き派とのこと。
手書きの魅力の大きなポイントは、身体感覚です。コンピューターのスクリーン上より紙の方が流れるように書き進められますし、実際に仕事をしているという手応えを感じられるのです。手書きには別のメリットもあります。言うまでもなく、インターネットにつながっていないことです。コンピューターで作文を書いていた子どもたちは、誘惑だらけのネットに負けてしまったのではないでしょうか。
「手書きのメリット」の多くは紛れもない事実ですが、中には思い込みもあります。「丁寧な字で記された回答や課題は、乱雑なものより高得点をもらえる」という調査結果が出ているのです(タイプされた回答は研究対象には入っていません)。というわけで、子どもたち! 手できれいに書く練習をしましょう。それで頭が良くなるわけではないのですが、少なくとも他の人には賢いという印象を与えますから。
その他、「手書き」の効果にまつわる記事:
The Many Health Perks Of Good Handwriting | Chicago Tribune
Republished from http://jezebel.comAnna North(原文/訳:遠藤康子、合原弘子/ガリレオ)
Image Via EtiAmmos(Shutterstock.com)