「一晩寝かせる」という発想は間違いなく、脳にじっくりと考える時間を与えるためのすばらしいアイデアです。以前にも「難しい決断をする時は一晩寝てから考える方が良いという研究結果」を紹介しました。

何か大事な決断にしろ、クリエイティブな問題にしろ、少し時間をおくことで、急にひらめいて解決することはよくあります。しかし、生産性向上のアイデアブログ「99U」によると、少し休憩して仕事を変えるだけでも、クリエイティブな思考には十分な刺激になるのだそうです。心理学者のKen Gilhoolyさんの研究では、被験者を言語的な作業をするグループと、空間的な作業をするグループに分け、お互いの作業を交換した時に、クリエイティブな問題が解決されるということが分かりました。

仕事を自宅に持ち帰ると、クリエイティブな発想が生まれることがありますが、それまでの作業とは頭の違う部分を使うようなことをした時に限ります。言語的な作業と空間的な作業を切り替えた被験者は、元の作業に戻った時に、量的にも質的にもすばらしく問題を解決していました。集中する対象が変化したことで、取り組んできた大きな課題に潜伏期間が与えられ、無意識下にあるものを解放したのでしょう。

このことから、今度仕事で行き詰まるようなことがあれば、その仕事やプロジェクトを一旦止めて、まったく違うことをするとよさそうです。文章を書いていたのであれば、デザインをしたりパズルを解くようにしたり、逆にデザインをしていたのであれば、何か文章を書いてみるという具合です。

How Switching Tasks Maximizes Creative Thinking | 99U

Thorin Klosowski(原文/訳:的野裕子)

Photo by Matt MacGillivray.