夜にしっかりと睡眠をとって、朝から元気な一日をスタートさせるには、自分が最高のコンディションになれるようにすればいいのですが、それができれば誰も苦労はしません。しかし、朝晩の日課にほんのひと工夫をするだけで、より快適に目覚め、一日をエネルギッシュに過ごすことができるそうです。
■夜寝る前に
夜にしっかりと休むためには、すべてを睡眠に最適化する必要があります。体に「これから眠るよ」というメッセージを正しく送るための方法をいくつか紹介しましょう。
・眠る数時間前は直接光を浴びないようにする光は体を目覚めさせる効果があり、そのおかげで日中起きていられますが、眠りたい時には邪魔になります。電化製品が発する過剰な量の光も注意です。寝付きをよくしたい場合は、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット、テレビなどのバックライトは、眠る前に使わない(見ない)ようにしましょう。どうしても使いたい時は「電化製品を使う明るい部屋」と「眠るための暗い部屋」を分けるようにしましょう。米紙『ロサンゼルスタイムズ』では以下のように説明しています。
眠る前に明るい液晶画面をじっと見ていると、横になっても眠ることができません。そのような異常な光源に直接さらされると、「体内のメラトニンの分泌が抑制される」と睡眠の専門家は言っています。(中略)スマートフォン、携帯電話、iPadなど、光を放出するデバイスは、脳に覚醒するように指令を送るのです。したがって、そのようなデバイスを使っている人が、顔の近くでそれらの光をじっと直接見ると、部屋の反対側に置いたテレビやベッドサイドのライトなどに比べると効果は増幅されると、UCLAサンタモニカ校睡眠障害センターのディレクターであるFrisca Yan-Goさんは言っています。
そのような液晶画面のある電化製品は、毎晩眠る前にきちんと電源を消すようにするか、必要であればスリープタイマーなどをセットしてきちんと切れるようにしておきましょう。
・運動をする運動をすると心拍数が上がり、血行がよくなるので、睡眠にはよくないと思っている人もいるかもしれません。もちろん、疲れ果てて、体が回復するのに睡眠が必要なほどの運動は考えものですが、CNNスポーツでは、午後に運動をして毎晩の眠りをより深くする方法を紹介していました。
国立睡眠財団は、午後の運動は寝付きをよくし、より深く眠るのに効果があると報告しています。しかし、運動をし過ぎると逆効果になることもあるので気をつけましょう。2003年の研究で、朝の運動が快眠のカギとなるということが分かりました。Fred Hutchinsonがん研究センターの研究では、毎朝30分の運動をした閉経後の女性は、運動をしていない女性よりも寝付きがいいという結果が出ました。夕方に運動をする女性には、睡眠パターンの改善はあまり見られませんでした。
筆者は、個人的には遅めの時間(例えば夜7時ごろ)に運動をするとよく眠れるそうですが、眠る時間が遅いからかもしれません。いずれにしても、眠る前に数時間運動をすればよく眠れます。食べる前に運動をすると代謝もよくなるので、夕食前も理想的です。ただ、眠る直前に夕食を食べると、消化のためにエネルギーを使って睡眠の質が下がるのでやめましょう。
・頭をクリアにする一日中何か考え事をしたり、頭を使い続けたりしていると寝付きが悪くなります。心配事がある場合は、眠れたとしても、睡眠の質がよくないものです。雑念をなくす簡単な方法として、眠る前に瞑想をするといいでしょう。瞑想といっても難しいことをする必要はありません。ライフハッカーではこれまでも「瞑想のススメ」や「どこでもできる簡単な瞑想と呼吸のガイド」などを紹介してきましたので、参考にしてみてください。眠る前に頭の中をクリアにできれば、すぐに眠れるようになります。
・就寝中の体温管理をする一般的に、眠る前に体温を上げると寝付きやすいので、眠る前にお風呂に入ったりシャワーを浴びたりすると効果的とされますが、これには少し誤解があります。実際には眠る前に体温を下げた方がいいのです。ですから、お風呂やシャワーについての本当のところは「体が温まると、その後で冷たい空気(室温)に触れて体が冷えるので睡眠にいい」というわけです。
就寝中も体温は低めに保った方がいいようです。睡眠研究サイト「Sleepdex」では、体温調節をするメリットについて以下のように説明しています。
オランダで行われた最近の研究で、睡眠の質には温度がいかに重要かということが分かりました。被験者にサーモスーツを着てもらうと、体の中心温度の影響を受けることなく、皮膚温度を下げることができました。その変化は劇的で、夜の間中ほとんど目覚めることなく、第3~第4段階の睡眠(深い睡眠状態)の時間の割合が増えたのです。年配の人や、不眠症に悩まされている人の方が、より顕著にその効果が表れました。
誰もがサーモスーツを着て寝ているわけではありませんが、夜の間に体温を1~2度上げるようにすることで、体温を安定した状態に保てます。
■朝起きてから本当によく眠れたとしても、朝に目覚めたらベッドから飛び起きれるかというと、それはまた別の話です。起きるのには少し時間がかかる人が多いでしょう。少しでも目覚めをよくしたい人は、以下の方法を試してみてください。
・光で目覚める光ほど目を覚ますのに効果的なものはありません。目覚まし時計の音では嫌な気分になることがありますが、光は自然に、徐々に明るくなっていくものなので、朝のいい目覚ましになります。起床時間と日の出の時間が合わないという場合は、「光で起こしてくれる目覚まし時計」や、光で目覚めるアプリもあります。米LifehackerではDIYする方法も紹介しています。ともかく、光を使って自然と目覚めると、体によりエネルギーがみなぎります。
・1杯の水を飲み、それから朝食をとる「朝食は一日の中でも最も大切な食事だ」と聞いたことがある人もいるでしょう。毎朝できるだけ起きたらすぐに朝食は食べるようにした方がいいです。一日をスタートさせるのに必要な栄養を取るのです。その前に、まずは水をコップ1杯飲みましょう。約8時間の睡眠で、体は軽い脱水症状を起こしているようなものなので、体は食べ物よりも水を欲しています。コップ1杯の水を飲むことで、食べすぎを防ぐこともでき、快適な一日が始まるでしょう。
・5分程度の軽い運動をする前述の通り、運動は心拍数を上げ、血行をよくするので、目を覚ますのにも効果的です。朝から運動をする気分にはなれないという人もいますが、ほんの少しの運動でも効果はあります。腕立て伏せのような、軽いエクササイズから始めるといいでしょう。運動は体にいいだけでなく、体温も上がります。その後でシャワーを浴びれば、さらにシャキッと目覚められること間違いなしです。
Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)
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