ライフハッカー編集部様

みんなEvernoteを絶賛していますが、私にはその良さがわかりません。結局ただのノートアプリですよね? それならほかにもっとシンプルで使いやすいアプリがあります。Evernoteのどこかそんなにすごいのですか?

理解できない(Just don't get it)より

理解できないさん(Just don't get it)へ

そう思うのはあなただけではありません。世の中には2種類の人がいます。Evernoteが大好きな人たちと、そうでない人たち(Evernoteの良さがわからない人を含む)です

Evernoteは様々な用途に使えるクロスプラットフォーム・アプリで、デジタルファイル・キャビネット、ノートツール、毎日のジャーナル、プロジェクトマネジメントシステム、料理レシピの保存などなど、実に様々な使い道があります。あまりにたくさんの機能と使い道があるため、多くのユーザーから支持されている反面、なかには「過剰」だと感じる人もいます。(米LFのAdam Pashも「なぜ私はEvernoteを使わないか」という記事を書いています)

米Lifehacker編集部にもEvernoteを使っている人はいますし、仕事術シリーズのゲストの多くや米Lifehackerの読者のみんなもこのアプリを愛しているようです。実は私自身もEvernoteユーザーです! そこで、Evernoteファンのみなさんに、なぜそこまでEvernoteを愛しているのかを聞いてみました。■ 「なんでも保存箱」としての価値

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Evernoteは様々なアプリと連携します。ブラウザの拡張機能を使えばWebページをワンクリックでEvernoteに保存することもできます。Evernote送信用メールアドレス宛にメールやツイートを転送すれば、Evernoteに自動的に格納されます。また、処理自動化ツール『IFTTT』を使えば、ほかのサービス(Gmail、Google Reader、Pocketなど)からコンテンツをEvernoteに自動転送することが可能です。このように、とにかく何でもEvernoteに送って保存しておくことができます。

このように、Evernoteは「何でも保存箱」として使えます。クロスプラットフォーム対応ですので(デスクトップアプリ、ウェブアプリ、モバイルアプリがある)、どこからでも好きなときに、アイデア、ToDoタスク、参考情報などをEvernoteに保存することができます。また、検索機能も優秀で、どんなドキュメントでもすばやく見つけ出すことが可能。さらに、ノートブック、タグなどすばらしい整理機能も備えています。

Jay G氏はこう言っています。

私はEvernoteを「あらゆること」に使っています。毎日のジャーナルにも使っていますし、Google Readerでチェックした面白そうな記事をIFTTTでEvernoteに保存し、あとで読むために使っています。寄付金など重要な領収書はすべてスキャンしてメールでEvernoteに転送しています。引用句やアイデア、ウェブからの抜粋、メモ書きなどの整理にも使っています。電気機器のマニュアルも保存しています。Twitterの気に入ったツイートの保存にも使っています(IFTTTを使って)。さらに、ティーチングノートや、ディスカッションのアイデアなども保存しています。パーソナルドキュメントや契約書、医療情報なんかも全部保存しています。思いつく限りはこれだけですが、まあ一般的な使い方なのではないでしょうか。私は教会の牧師をしていますが、Evernoteは必要不可欠のツールです。

Chris K氏によると、

私はEvernoteを毎日使っています。私はコンサルタントですが、デザインについてよく顧客とディスカッションをします。ミーティングは数週間か数ヶ月おきに行われることが多いのですが、Evernoteがあればスムーズに前回の内容を思い出すことができます。会議が始まる前、ロビーで待っている5分の間に、MacとDroid(スマートフォン)を同期させて、前回の内容をおさらいします。また、会議ノートを同僚たちと共有しています。

基本的に、Evernoteの中に何でも入れることができます。ノートやメモ、写真、動画、ボイスメモなどなんでもです。検索やタグ、ノートブックを使えば、後から好きなときにアイテムを見つけ出して閲覧することができます。

クラウドを使って、ペーパレス化を進められる

マルチプラットフォームとOCR処理機能を備えたEvernoteは、ペーパレス化を目指す人にはぴったりのツールです。

Mike U氏は言っています。

Evernoteは簡単に言ってしまえば「整理されていないものを整理する」ツールです。

私は、プレミアム会員に加入してアップロード容量を増やし、領収書や請求書、手紙などをスキャン保存しています。ほかにも、妻と家事に関するノートブックを共有したり、子どもたちのアート作品をスキャンして日付け/イベント/点数でタグ付けしています。また、テキスト検索可能なPDF形式で各種書類を保存しています。これほど毎日、頻繁に使うツールは他にありませんね。

よく、電話をしている最中に、保険情報などが必要になることがあるのですが、とにかくEvernoteさえ見ればどんな情報でも見つけられるので大変重宝しています。

Evernoteは写真やスキャン画像を簡単に取り込んで保存することができます。さらに、写真の中にあるテキストを自動で読み取ることさえ可能です(モレスキン社から出ている「Evernote Smart Notebook」はデジタルとアナログの素晴らしい組み合わせです)。

タスク/GTDマネジメントツールとして使う

生産性コンサルタントのDaniel Gold氏はEvernoteを「ライフマネジメントツール」として使っているそうです。

私は、Evernoteをアクションアイテムと関連資料(スキャンした紙の書類・デジタル書類)を結びつけるドキュメント管理ツールとして使っています。ノートリンク機能を使えば、ToDoタスクと参考資料をリンクさせることができます。また、「保存された検索」機能を使えば必要な情報にすばやくアクセスできて、生産性向上にかなり役立っています。

Evernoteは、そのままではToDoリストマネージャとしては少し物足りないところがあります(リマインダー機能がないなど)。しかし、うまくシステムをセットアップすれば、十分にタスクマネージャとして活用することができます。

テンプレートを使えば、Evernoteをプロジェクト/GTDツールとして活用できます。以前ご紹介したThe Secret Weapon」は、Evernoteを使ったGTDシステムとしてはまさに最強です。マルチタグや、メール連携などEvernoteの特徴をうまく利用しています。

もちろん、「The Secret Weapon」のようなツールを使わなくても、Evernote単体でタスクやプロジェクトの管理もある程度可能です。メール連携機能や、タグ付け機能、ノートブック共有機能など、使える機能がそろっています。(もちろん共同作業の管理にも使えます)

ノートツールとしても使える

多くの人がEvernoteを、勉強や読書時のノートツールとして使っています。音声録音機能も標準搭載され、LiveScribe社のデジタルペンなどとも連携します(学生や会議が多い人にぴったり)。

ただし、個人的には、Evernoteはノートツールとしては少し使いづらいと感じます。さっとノートを取るだけならほかのツールのほうが使いやすいでしょう。ノートの取りづらさと同期機能への不満があるため、米LH編集部の多くはこの機能ではEvernoteを使わず、シンプルなテキストファイルとDropboxを使っています。

とはいえ、米LHの読者から届くお便りを見ていると、Evernoteをファイルキャビネットとしてだけでなく、ノートやメモ帳として使っている人も大勢いるようです。英ヨーク大学で化学を専攻している大学院研究生Nathan A氏は、Evernoteを実験ノートとして使っているそうです。

実験ごとに専用ノートを作っています。ノートには、COSHH/リスクアセスメント情報、安全手順、実験方法、利用したすべての参考資料を書き留めておきます。実験が終わったら、観察結果や測定値もノートに記入します。こうしておけば、レポートを書くときに、必要な情報は全てノートに入っていることになるので大変便利です。また、ノートを研究仲間やほかの研究グループにシェアすることもできます。

ずいぶん面倒に聞こえるかもしれませんが、こうしておくことで実験内容を漏れなく保管することができ、レポートを書くのが楽になります。

また、Matthew B氏は、Evernoteを息子のライフアルバムとして使っています。Zef C氏はEvernoteで料理のレシピ集を作っているそうです。

デバイス間で同期できたり、タグで管理できるだけがEvernoteの良さではありません。たくさんの米LH読者が、ノートの作成日付を保存できるのが良い点だ、と言っています。また、大学院生のAndy K氏は、様々な形式のメディアを一カ所に集めておくのにEvernoteはうってつけだと言っています。

研究活動や資料管理に最適

私はEvernoteをデジタルファイルキャビネットとして、また、アイデアを書き溜めたり整理するのに使っています。ブラウザのwebクリッピング機能がとても便利で、webページを丸ごと保存することができます。参考資料の収集にうってつけです。

ほかにも、複数のタグを付けられたり、リンクノート機能があったりで、Evernoteはまさに究極のレファレンスシステムと言えます。米LHによくコメントをくれるShep McAllister氏によると、Evernoteは研究活動にぴったりのツールで、とくに異なる物事の関連性をビジュアル化するのに優れているそうです。

いろんな用途のノートブックが作成できる

Evernoteはアーカイブ、ジャーナル、そのほか、あらゆる情報の記録に使えます。

Adam R氏いわく

Evernoteで地ビールの試飲記録をつけています。ビール瓶の写真を撮ってテイスティングノートを書いています。

また、IPアドレスやネットワークID、サーバーの名前など、仕事で使う重要情報も保存しています。必要なときにいつでも情報にアクセスすることができます。

ほかの人たちもEvernoteに以下のような情報を保存しているそうです。

  • 会議ノート
  • 顧客/プロジェクトノート
  • 家の管理人の電話番号
  • 歌(譜面など)
  • 旅行計画
  • モチベーショナルな引用句
  • ユーザーネームとパスワード(ただしセキュリティ的には望ましくないかも)
  • 料理レシピ
  • 重要な書類(子どもの医療記録など)
  • やりたいことリスト


世の中に情報保存ツールは数あれど、Evernoteほど機能が豊富で、あらゆるプラットフォームからアクセスできるツールはないでしょう。また、プラグインもたくさんありますので、使い道に合わせてカスタマイズすることが可能です。

以上、みんながEvernoteを使っている理由と、使い方をご紹介しました。もちろん、Evernoteにだって欠点はあります(Alexio R氏はEvernoteの自動フォーマットが不満のようです)。しかし、Evernoteは本当に何にでも使える万能ツールです。ぜひ一度使ってみてください。使えば使うほどその機能に驚かされます。奥深いツールですよ。

ライフハッカーより愛をこめて

Melanie Pinola(原文/訳:伊藤貴之)