ノマドワーカーのたとえを出すまでもなく、モバイル環境の有無が仕事のスタイルを左右するのは、もはや言うまでもありません。そして、そのためのWi-Fiルーター選びに迷っている人は多くいると思います。
先日サービス開始した楽天スーパーWi-Fiは、楽天がイー・アクセスと共同で立ち上げたLTEサービス。LTE通信のサービスを提供しているキャリアは多数ありますが、楽天ならではの付加価値とイー・アクセスのエリアカバー率の高さが、アタマひとつ飛びぬけているように感じます。
申し込み時に電子書籍端末のkobo、もしくは楽天ポイント5000ポイントのどちらかがついてくるという特典も魅力的ですが、とくに気になるのはちゃんとつながるのか、そして月々どれくらいの維持費がかかるのかという2点です。ビジネスユースにおいて欠かせないふたつの条件について、調べてみました。結論を先に言うと、よくつながります。そして、ネットショップを日々活用しているという人ならば、メリットは大きいです。
詳細は以下より。■ エリアと通信速度を検証してみる
・通信エリア
場所を選ばずに仕事をするためにも、肝心なときに繋がらないのでは意味がありません。先述の通り、楽天スーパーWi-Fiはイー・アクセスの通信網を使ったサービスです。イー・アクセスによるとそのサービスエリアは、LTEについては全政令都市・全県庁所在地において人口カバー率99%。さらにG4エリアについては、全国の人口カバー率93%という数字を誇ります。
画像:イー・アクセスサイトより・速度調査
参考までに、以下、速度調査を行いました。(1)屋外(国会議事堂前の路上、LTE接続)、(2)地下鉄駅ホーム(営団地下鉄有楽町線・永田町駅、3G接続)について、それぞれ3回測定しています。
(1)屋外でのLTE接続は「上り」に威力を発揮
Speedtest.netを利用下り:1.45~3.75Mbps/上り:6.37~13.33Mbps
(2)地下鉄駅での3G接続も十分使える
Speedtest.netを利用下り:8.86~10.56Mbps/上り:1.33~2.24Mbps
個人的にありがたいのは、地下鉄駅でも非常につながりやすいこと。ルーター片手に永田町駅の長いエスカレータを上り下りしてみましたが(通勤などで利用している人ならば、地下深くに潜るあのイメージが湧くかもしれません)、3G通信ながらアンテナは常に立ち続けていました。
また、地下鉄に乗りながら電波状況を観察してみましたが、なかなか頑張ってくれます。ひと駅ひと駅電車が停まるごとに電波が復活します。これは駅によって差があるのですが、半蔵門線(渋谷~永田町)においては各駅15~70秒程度、接続可能な状態が続きました。送受信の容量にもよりますが、息継ぎをするようにメールのチェックをするのには十分な時間です。
また、イー・アクセスの通信性能の特徴として、建物内においてもつながりやすい点が挙げられます。
立ち寄ったカフェで仕事をしようというなら、入る店も選べるし、座る席も選べます。ただ、ビジネスにおいては、いつも自分で自由に席を選べるとは限りません。打ち合わせでミーティングルームを指定されることもあるでしょう。接続可能なエリアに対する不安が少ないのは、大きなアドバンテージになるはずです。外出時だけでなく屋内でもLTE通信が可能なのは、自宅での利用でも非常に便利です。
次に、ランニングコストについて考えてみます。楽天スーパーWi-Fiのメリットは、その付加価値にありました。
■ 月額使用料3880円をもっと抑えたいなら
まず、楽天スーパーWi-Fiは、コスト体系がシンプルです。ルーターの端末代金も含めた初期費用0円、月額費用3880円。他社のLTEサービスと比較しても、そのランニングコストは十分安いといえるでしょう。ただ、ユーザーにとってさらにメリットを感じさせるのが、楽天ポイントの存在です。契約期間中ずっと、楽天市場での買い物金額に対して、3%のポイントが手に入るのです。
・楽天スーパーポイントを活用した1カ月
楽天市場では、代金に対して通常1%のポイントが還元され、ポイントと同額の買い物ができます。対して契約中、毎月3万円までの範囲でさらに2%分のポイントが加算されます。つまり、毎月最大600円分の楽天ポイントが手に入るということです。
楽天市場の賢い使い方としてひとつ押さえておきたいのが、送料無料市場の存在です。
その名の通り、送料無料のサービス内では、さまざまな商品を取り扱っています。それこそ食品や水、日用雑貨から家電製品まで揃います。
ちなみに先月1カ月、筆者が楽天市場で購入したものは以下の通り。
サンペレグリノ(500ml×24本) | 1488円 |
コーヒー豆(1.2kg) | 3150円 |
プリンタ用インク(4色・3セット) | 1万230円 |
プリント用紙(A4・500枚) | 940円 |
ズワイガニ(800g) | 1980円 |
スケッチブック(A4・10冊) | 1930円 |
合計 | 1万9718円(通常197ポイント+さらに394ポイント加算) |
月最大600円分のポイントを、生活に必要なものを購入する費用に充てる。1カ月600円=1年間7200円という金額は、単純計算ではありますが、結構オトク、です。毎月3880円の通信費から600円を引いた3280円を月々の運用費として考えることもできそうです。
■ 「モバイル端末+楽天スーパーWi-Fi」は賢い選択肢
契約に際して送られてくるルーターは「GL04P」。重量140g、名刺サイズの小型端末。カバンの中に入れて利用するのに、ちょうどいい大きさです。
連続待受時間約380時間、連続通信最大約9時間(バッテリー容量3000mAh)と、LTE対応の端末の中でも高いスペックを誇ります。
朝から夕方まで連続してネット通信ができ、通信エリアや屋内外にかかわらず使用可能ということは、iPad miniやNEXUS 7などのタブレットはもちろん、乗り換えをして必要なくなったスマートフォン端末を活用するのに最適です。例えば、SIMなしのAndroid端末をつなげば、Googleマップやその他Androidにしかないアプリを高速通信で利用できるというわけです。申し込み時に手に入れたkoboとWi-Fiルーターをともに持ち歩けば、いつどこでも、気になる書籍をすぐに購入、ダウンロードできます。これも、まさに楽天ならではのメリットだといえます。高速通信LTEのサービスはいま、多数展開されています。そしてその通信スピードは、実際のところ各社横並びといったところでしょう。だからこそ、その中からひとつを選び取る際には、通信エリアやプラスαの付加価値を判断の基準にしたいところです。
ネット上で申し込みができ、さらに16時までに申し込めば最短で翌日にはルーターが届くというスピード感も魅力的。サービスの詳細は、以下のリンク先からもご確認ください。
(※2012年12月13日 17:00追記)
記事について「通信制限のことに触れてない」との声があるようなので、補足します。こちらのページによると楽天スーパーWi-Fiでの「通信制限」は366MB。24時間ごとの通信量が366MBを超えると「その当日の21時~翌日2時」の5時間の間、通信速度に制限がかかるとのことです(通信の切断はありません)。
ただし、速度制限が21時からかかるということは、21時までならば制限なしのスピードで使用できるということでもあります。21時までしっかり使い倒したら、あと5時間は高速通信を諦めて、寝るなり飲みに行くなり別のことに時間を使う(5時間で元の速度に復帰するのはありがたいところ)。深夜のネット利用はつい時間を気にせず続けてしまいがちですが、あえて時間の制限を設けてリズムをつくるのも、ちょっとしたハック術だと思います。
(年吉聡太)