目覚まし時計のアラームは実にむずかしい存在です。音がうるさすぎればお隣さんから苦情がくるかもしれませんし、かといって控えめな音量ではやり過ごしてしまう可能性も...。
ムーンムーン株式会社から発売中の「OKIRO」は、音ではなく光で起こす目覚まし時計。OKIROの特徴は大きく2つ。「最大13000ルクスを放つLEDライト」と「日の出(サンライズ)機能」です。これにより自然な目覚めを演出し、スッキリ起きられるというのです。
早速、試してみることにしました。■OKIROは晴天の窓際より明るい
72個のLEDが照らす明るさは最大13000ルクス。一般家庭用ライトの約25倍の明るさに相当します。「晴天の窓際」が10000ルクスほどの明るさらしいので、OKIROのライトがすべて点灯すると、窓から日光が入ってきたのと同じくらいに感じられるということでしょう。
ライフハッカーではこれまでも「睡眠」に関する記事で、目覚めに太陽光を浴びると良いと紹介したことがあります。
朝の太陽の光を浴びることは、体内時計の調整とメラトニン(人を眠らせたり、起こしたりするのに大事なホルモン)の抑制に効果があると言われています。メラトニンは夜9時から出始め、夜11時くらいに眠気を感じるような高い濃度になり、朝方にかけて徐々に下がっていくようです。このサイクルを利用し、太陽の光を朝浴びて、眠気が消失するレベルにまでメラトニンの濃度を一気に下げ、スッキリ目覚めるようにします。
詳細は後述しますが、OKIROの光量であれば、「光による体内時計の調整」も期待できます。
■まるで太陽が昇るように明るくなるもうひとつの特徴が日の出(サンライズ)機能。タイマーをかけると、起きたい時間の30分前にLEDが点灯。徐々に光を強めていき、起床時間になると最大光量になります。鳥のさえずりを思わせる控えめなアラームも鳴り、目覚めを教えてくれます。
また、設定時間は30分から90分の間で選べます。「もっとゆっくり光を感じたい」と思った時には調整してみてください。
■OKIROで目覚めてみた実際にOKIROを3日間使用し、テストしてみました。まず、使う前に驚いたのはなかなかの大きさであること。上の画像を見てもらえばわかると思いますが、伸ばしてみると500mlのペットボトル2本分ほど。OKIROは光の強さを調節して読書灯としても使えるため、「目覚まし+デスクランプ」という使い方も考えてもいいかもしれません。
日の出機能の設定時間を30分にしてOKIROを使ってみたところ、まぶたの裏に光を感じながら、カラダがゆっくりと目覚めていくのがわかりました。音で起こす目覚ましが「0から100へ」いきなり上げていこうとするのに対し、OKIROはじっくりと100へ向かっていくような感じです。うるさいアラームに「あぁ、もう朝だ...」とがっかりする気分もありません。
私は決して寝起きが良い方ではありませんが、OKIROのアラームが鳴る前に起きてしまうほどでした。ベッドに寝たまま光を浴びているだけでも気持ちいい。3日間テストして、すべて希望の時間に起きられました。ただ、ムーンムーン株式会社の代表取締役である竹田浩一さんは、「慣れれば光だけで起きる事ができますが、慣れるまで2週間ほどかかる方もおられます」と言います。個人差がありますので、まずは他の目覚ましを併用するか、寝坊しても良い日に試してみるとよさそうです。
以前、日照時間が減ることで起きやすい「冬季うつ病」を紹介しましたが、OKIROのような「高照度光機器」を使って光を浴びることでも、気分の落ち込みを和らげる効果が期待できるのだそうです。いわゆる「光療法(高照度光照射療法)」と呼ばれるもので、生体リズムを調節し、睡眠障害やうつ病にも効果があるとされています。治療では「5000~10000ルクス程度で30分~1時間程度照射するケースが多い」ということなので、OKIROの光量であれば十分です。体内時計を調節し、生活習慣の改善にも役立つでしょう。
現在、OKIROは楽天市場またはAmazonにて購入可能。販売店も順次拡大しているとのこと。目覚めだけでなく、さまざまな効果が期待できるOKIRO。試してみる価値アリと思います。
(長谷川賢人)