全部をやろうと意気込むけれど、一日が終わってから振り返ると、結局ほとんどなにもしていなかった――。そんな経験は、少なからず誰にでもあるのではないでしょうか。だからこそ時間管理が大切になるのですが、そもそも、すべてをやり遂げることは不可能で、やろうとするだけでも危ないと説くのが『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』(ピーター・ブレグマン著 小川敏子訳 日本経済新聞出版社)。

ポイントは「やらないこと」を決めること。そして、その核になるのがタイトルにもある「18分の法則」だといいます。18分の法則とはつまり、「一日を運営するための作業も日課にする。毎日繰り返して実行し、重要なことに集中し、立ち往生しないためにシンプルで明確で効果的な日課に。そこには、うまく機能すること、しないことをすべて網羅する。それらが、合わせて一日に18分」という論理です。

分かりやすく説明するために、具体的な3つのステップを紹介します。

ステップ1 朝の日課(5分

『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』(173ページ)

パソコンを立ち上げる前に、「ToDoリスト」をチェック。一日で成果をあげるにはどうしたらいいのか、今年のテーマを追求するためには具体的に何を達成すればいいのか、一日の終わりに今日をふり返って生産的に過ごし成果をあげたと感じるためには何をすればいいのかを判断する。

ステップ2 改めて集中する(1時間ごとに1分

(同173ページ)

腕時計、電話、パソコンなどを利用して1時間ごとにアラームが鳴るように設定する。予定表に従って仕事を開始し、途中アラームが鳴ったら深呼吸をして、自分はこの1時間生産的だっただろうかと自分に問いかける。予定表を確認し、これからの1時間を生産的に活用すると自分に約束する。こうして1時間単位で一日を整えていく。

ステップ3 夜の日課(5分

(同174ページ)

一日の終わりにはパソコンを終了させ、今日をふり返ってみる。

(1)どんな一日を過ごしただろうか?

(2)今日、自分自身について新しく学んだことはあっただろうか?

(3)連絡をとる必要のある相手は?

と自問。コンタクトをとっておきたい相手にはメールを送る、電話をかけるといった方法で確実に連絡を。

このように18分の日課を続けるだけで、やるべきことを間違いなくこなせるようになるそうです。理由は、同じことを同じやり方で何度も繰り返すと、結果を予測できるようになるから。「集中すべきことを慎重に的確に選択し、一日を通じて新鮮な気持ちで取り組めるように自分自身に働きかける仕組みをつくる」わけです。

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(印南敦史)