新しいスキルや知識を学ぶのは大変です。特に学び始めの段階は、なかなか思うようにできなくてイライラしたり苦しくなったり...。しかし、米誌『TIME』によると、学習プロセスで苦しめば苦しむほどスキルや知識はよく身につくというのです。誰だって苦しまずに学びたいと思うもの。しかし、シンガポール・国立教育研究所の研究員Manu Kapur氏らによってまとめられた論文によると、あまりに段取りよく丁寧に教えられてしまうと、学習プロセスの重要な段階を飛ばしてしまうことになるそうです。

一般的に、学習初期の段階、特に学習者が独力で課題を解決できるようになるまでは、なるべく丁寧なガイダンスを与えて学習を支援するのが良いとされています。これは多くの学校や企業で採用されている教育モデルです。しかし、このモデルはむしろ学習効果を下げてしまうのです。そうではなく、はじめのうちは学習者に独力で課題と格闘させ、安易に手を差し伸べないほうがいいのです。苦労して習得した知識のほうが、よく身に付くことがわかっています。

Photoshopや新しいウェブアプリの使い方を覚えたりなど、何か新しいスキルを学ぶときには、最初のうちに苦しんだ方がいいのです。その方が学習効果が高く、長期的に見ればメリットが大きくなります。苦しむのも学習プロセスの重要な一部、ということでしょう。

Why Floundering Is Good | Time

Thorin Klosowski(原文/訳:伊藤貴之)

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