少し前、ブータンの幸福度の高さが話題になったことがありました。「我々日本人も見習うべきだ」と話題になったものですが、『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(坪田一男著 文春新書)はそれを裏づけるかのようにこう主張しています。

人は「長生きだから、幸せ(ごきげん)になる」というだけではない。「幸せだから、長生きする」。もっと言えば、幸せだからこそ、健康で長生きできて、よりよい人生を長く楽しむことができるのだと、僕は信じている。

『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(はじめに)

当たり前といえば当たり前。しかしこんな時代だからこそ、それはとても大切な考え方かもしれません。ベースとなっているのは、「ネガティブな側面だけを研究するのは、健全なやり方ではない。科学的に責任のあるやり方とも言えない。もっとポジティブな面にも注目すべきだ」という「ポジティブ心理学」の思想。

著者は、

  1. 心のエクササイズ
  2. 食事のテクニック
  3. 運動のテクニック

と3つの角度から「幸せになる方法」を伝授しています。そのうち、特に大切な「心のエクササイズ」から、すぐに応用できそうな3つのポイントをピックアップしてみました。

自分の「強み」を発見しよう!

『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(108ページ)

自分の「強み」を生かしたり、使いこなしたりして人や社会に貢献することで幸せを感じるということが、多くの研究でわかっていると著者は解説しています。たしかに強みを持つことは、ビジネスにも大きなメリットになりますね。

「いわれなき万能感」を持とう!

『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(115ページ)

心理学の世界では、イメージの根幹にある「自分は○○が得意(不得意)だ」、「自分にはすばらしい才能がある(ない)」といった自分に対する評価や自信度を「自己概念=セルフコンセプト」と呼ぶのだとか。たしかに「根拠のない自信」が重要だということは、なんとなく理解できますよね。

不満には感謝で対抗する

『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』(121ページ)

大切な顧客をライバル会社にとられるなどの失敗に直面したときこそ、同じ失敗を繰り返さないために「感謝」が必要。感謝する習慣がつけば、それが採取的に「生きていること」への感謝に行きつく。そのことが大切なのだと著者は主張しています。

ここでは上記の3ポイントを厳選しましたが、同書にはビジネスで活用できそうなアイデアが随所に散見できます。興味のある方、ごきげんになりたい方はぜひ読んでみてください。

(印南敦史)