さまざまな記事を友達やフォロワーと簡単に共有できるサービス『Buffer』の創業者であるJoel Gascoigne氏は、「生産効率性が最も良いのは自身が幸せな時である」ということに気が付きました。とても単純ではありますが、いくつものプロジェクトに向き合っている時や、締め切りに追われている時、プライベートなことでのストレスを抱えている時などに、生産性を維持するのは簡単ではありません。今回はJoel氏流の、すぐに試せる「日々の暮らしを幸せにするヒント」を紹介します。■毎日「幸せを感じる方法」を何通りも用意する
これから述べる行動は、すべて筆者の習慣となっているものです。習慣だからこそ問題なくこなせ、全てを終えた頃には、とても素晴らしい気分が味わえるそうです。
習慣として行っている理由は、クリエイター集団「37signals」のMatt氏にインタビューしたTim Ferriss氏の影響だそう。原文著者のブログにも、以下のように紹介されています。
もし、あなたが何か新しい物事に挑戦しようとする。しかし、何かしらあなたの意思に反し、行く手を遮るものがあるかもしれません。全力投球で挑戦したことが、不可抗力により続行できなくなってしまえば、立ち直れないかもしれません。まずは、エゴやアイデンティティを取り除き、もっと気楽にスタートするのが良いでしょう。例えば、ロッククライミングを初めるとします。目標を「時間を短くする」と決めてみてください。職場で嫌なことがあったとしても、岩を登り切るベストタイムを更新できれば、あなたは幸せを感じられるのです。
それでは、筆者の「幸せの習慣」を、見ていきましょう。■早起きをする
原文著者が実験をしてみたところ、早起きはとてもエネルギッシュになり、幸せを感じるということに気が付きました。良いスタートが、一日も良いものにするのです。次第に「早起きをすることへの快感」が増し、仕事にもかなり集中できるようになったそうです。米ベストセラー作家Gretchen Rubin氏のブログ「The Happiness Project」の最近の記事でも同様の内容が述べられています。
「私は休日も毎朝6時に起床します。理由は、ただ早起きが好きだからです。」
毎朝早起きをするには、ルールが必要です。特に、就寝時間においてはきちんと管理しなければなりません。原文著者は現在、夜9時半から10時に眠るための就寝儀式をしています。眠る前に散歩をして仕事から意識を外したり、読書をしたりするのです。その儀式のおかげで、毎朝6時にすがすがしい気分で目覚められるそうです。
■毎日運動するアクティブであればあるほど、人はより多くの喜びを感じ、活力がみなぎっている。
原文著者は過去3年間にわたり、毎日運動を続ける方法を試行錯誤していました。ジムに行っても右も左もわからなかったため、パーソナルトレーナーをやっている親族にアドバイスをもらいました。友達と何度か通うと、すっかりジムが好きになりました。
ジム通いが日課となり、続けるうちにどんどん良い気分になって、簡単に新しいことへの挑戦もできるようになりました。最近では、運動は全てにおいての要であるということに気が付きました。さらに、毎晩ぐっすり眠れるようにもなりました。
■自由になる豊かで、幸せで、生産的な人生のために全力で挑戦することは必要だが、いったんは、そこから離れることも重要である。──Loehr and Schwarz(『The Power of Full Engagement』著者)
前述の通り、筆者は毎朝6時に起きます。仕事を終え、21時半になると、必ず毎日同じルートで散歩へ行きます。歩く時はただ歩くだけで、他に何もしません。これが良い刺激となり、リラクゼーションにもなっています。
歩いている間はさまざまなことが頭に浮かぶそうですが、それもまた、とても健康的だと思っています。その日あった良い事を考えたり、さらに人生を良いものにするための方法を考えたりもしています。散歩から自宅へ戻る頃にはゆったりとした気分になっているので、より早く寝付くことができるのだそう。
■定期的に人助けをする原文著者が自分自身について発見した中で、今年一番の驚くべき事実は 「人助けをすることにより自分自身が幸福を感じる」ということです。しばらくの間、スタートアップの企業や創設者を助けるために会議する中で、知らず知らずに自分自身も幸せになっていました。そして、Matthieu Ricard氏の著書『Happiness: A Guide to Developing Life's Most Important Skill』を読んだ時、なぜその行動が彼に幸福をもたらしたのか、はっきりとわかったのだそう。
Ricard氏の「利他的行為」と「幸福」の項目を読んだ時、全ての謎が解け、それ以来、 数々のベンチャー起業家を助け、その人それぞれにあった解決策を見いだす度に、原文著者は幸せを感じています。
■新しいスキルを身につける一つのことに集中しなさい。そして、仕事に対し、「冷静になること」と「幸せを感じること」を学びなさい。これが良い人生の生き方である。
原文著者がBufferで働く上で常に幸せを感じる主な理由は、 いつも新しいことに挑戦できるからだそうです。 「新しい挑戦が幸福と結びつく」というのは、少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、熟知していることを2週間ほど行っていても、さほど満足感を味わうことはできません。
「新しい何かを学ぶことが幸せに結びつく」ことを理解する上で重要なのは、自分自信が進歩するためには、集中する必要があるということです。Mihaly Csikszentmihalyi氏がTEDの講演でも語ったように、人生にはあちこちに幸せが転がっています。ただ、それを見つけられるかがカギとなるのです。例えば、難易度の高い新しいスキルを習得する時も、集中することにより短期間でたくさんのことを学ぶことができます。例えば、筆者は2週間でAndroidの開発をゼロから学びました。今では2週間前よりもずっと知識が豊富です。
筆者はBufferにも目標を定めていますし、ジム通いの成果としての重量上げのゴールも掲げています。さらに、毎日1つか2つ、人助けのためにミーティングやSkypeでの会話をするようにもしています。
朝からジムへ行って、仕事をして、ランチタイムに2人の手伝いをするだけで、良い一日を送るチャンスが4回もやってきます。そして、そのチャンスはいつでも生かすことができるのです。
筆者の習慣から、幸せな日々を送るためのヒントを、何か見つけていただけたでしょうか?
Joel Gascoigne(原文/訳:Rhyeh)