こんにちは。電気代だけでなく、最近水道代も節約したくなってきた「失業経験有り人事担当」の田中二郎三郎です。
お風呂の水ほど、家庭によって交換サイクルに対する考え方が異なるものはないのではないかとふと思いました。こまめに毎日替える、2日に1回、あるいはそれ以上という家庭もあるのではないでしょうか。
お湯の入れ替えをしなければ、一度につき200リットル以上の節水になるといいます。できるだけ長く風呂水を沸かし直して使いたい一方、沸かし直しは決して衛生的ではないので、汚れた水に浸かりたくないという気持ちとの葛藤になるのではないでしょうか。
そのまさに気になる「お風呂の残り湯の汚れ」と、その対策について考えてみました。どうやら、ご家庭にもある重曹が、意外な効果を発揮してくれるようです。
(重曹のその他の意外な効果)Photo by Thinkstock/Getty Images.
風呂の残り湯には入浴時の汗や汚れが残されるほか、それらに付着した細菌が当然繁殖します。残り湯の温度は細菌繁殖に適した温度なので、繁殖は避けられません。代表的な細菌として大腸などがありますが、例えば、大腸菌は75℃で1分間加熱しないと死滅しないため、お風呂の温度をいくら上げても、大腸菌すら殺せないことになります。
そこで出番なのが、花王の「風呂水ワンダー」に代表される風呂水洗浄剤です。この錠剤の主成分はジクロロイソシアヌル酸塩というものでできています(「風呂水ワンダー」以外の製品でもほとんどが同じ成分なので、あえて値段の高い「風呂水ワンダー」を買う必要はありません)。
製品には、前日の最後に入浴した人が一錠入れておくと、雑菌の繁殖を抑えることができると謳っています。医薬部外品ではないので、「殺菌」という言葉が使えないので、「繁殖防止」と言い換えているのですね。
■風呂水洗浄剤の危険性は?主成分であるこのジクロロイソシアヌル酸塩。舌を噛みそうな名前ですが、安全性は問題ないのでしょうか。国立医薬品食品衛生研究所のデータによれば、「粉塵を吸い込んではいけない」「引火性物質との接触禁止」「強力な還元剤、強塩基、アンモニア、尿素、水との接触禁止」と謳われています。
ただ、市販されている風呂水洗浄剤の錠剤程度の量であれば、水と接触してもまったく問題はないとの事です(製造メーカー相談室からの回答)。風呂水洗浄剤が溶けた水は塩素を含んだ水となり、高温でも死滅しなかった大腸菌を死滅させます。またレジオネラ菌などの菌の繁殖も抑制します。
しかし塩素を含んだ水は、次亜塩素酸と塩酸を生じます。これらの物質は、肌や粘膜を侵してしまいます。よく塩素濃度の高いプールに入った子供が目を真っ赤にしていたり、肌がカサついたり頭髪がパサパサになった経験をおもちの方は多いと思います。
■そこで重曹の出番ですそこで登場するのが、料理や洗濯でも使用される重曹(炭酸水素ナトリウム)です。重曹は塩素を完全に除去はしませんが、その影響を緩和します。重曹は入浴剤にも多く含まれており、風呂水洗浄剤を入れて一晩おいた湯に入浴剤あるいは重曹を入れると、雑菌の繁殖を防ぎ、かつ塩素の害も緩和することができるので、一石二鳥です。
ただし気をつけて欲しいのは、風呂水洗浄剤を入れたのち、しばらくしてから重曹(入浴剤)を入れることです。また、もともと重曹や入浴剤が入った湯に風呂水洗浄剤を入れても、塩素が還元されてしまうため、肝心の除菌効果は薄れてしまうようです。
投入の順番を間違えないようにすれば、理想的な効果を生みます。そこにだけ気をつけて、あとは快適なお風呂ライフを送りたいものですね。
(田中二郎三郎)