東大式やコーネル大学式など、世に「ノート術」はいくらもあります。同じように、ノートそのものにこだわりをもつ人もたくさんいるはず。かくいう私は断然「大学ノート派」です。というのも、大学ノートと双璧をなすリングノートは、その最大の特長であるリング部分がジャマなのです。何冊もたまってくると、本棚に並べた際にリングが重なってキレイに並べることができません。それに対して大学ノートは厚さも均等。ピシッと整理できるのです。
やがて本棚に何冊もたまった大学ノートは、まとめてスキャンしてデジタル保存しています。そんなとき、大学ノートの唯一の泣きどころは「切り取れない」こと。特にノート1冊をまるごとスキャナーにかけたい時は、裁断するためのツールが必要になります。ノートによっては、ページごとにミシン目がついているのですが、それでも1枚1枚切り取らなければなりませんでした。
キングジムから発売されている「ScanNote」はそんなストレスを解消してくれるノートです。なんと、1冊まるごと全ページ、手で切り離すことができるのです。その破り心地には思わず感動してしまうほど。おかげでスキャン作業が捗ります。
ScanNoteの細部をよくよく見ると、「ノートに書き込んでデジタル保存」に最適な使い心地を実現したのには、2つの工夫がありました。
ポイント1:破りはじめをスムーズにする「切れ込み」ScanNoteのポイントは、力を(それほど)かけずにノート1冊丸ごと切り取れること。その時、ノート上端の「切れ込み」が破りはじめのガイド的な役割を果たしてくれます。
百聞は一見にしかず、論より証拠。実際に試してみると、切れ込みのおかげでスムーズに破り取ることができます。切り取ったら、ノートの束ごとスキャン開始。自炊派にはもはや常識のスキャナーScanSnapに、そのまま差し込むことが可能です。
ポイント2:ミシン目の計算された細かさ ScanNoteのミシン目は、非常に細かいです。例えばRHODIAのメモパッドに比べると、その差は歴然。力を加えなくても、簡単に切り離すことができます。切り取る時にキレイに破れるので、そのままスキャナーに差し込んでも引っかかりにくいのです。 ■ノートを切り離したくない人にもオススメできる理由書き溜めたノートをバラバラにしてしまうことに抵抗を覚える人もいると思います。そんな時は、スマホのスキャンアプリが活用できるのですが、そういった方にもScanNoteはオススメです。アプリとしては、以前紹介したキングジムの公式スキャンアプリ『SHOT DOCS(iOS)』や、『JotNot Scanner(iOS)』のようなスキャンアプリが利用できます。そして、その時便利なのが、ノートを綴じている部分がグレーの帯になっていること。
下画像の左側はSHOT DOCS、右側がJotNot Scannerで撮影したものです。撮影する時は、ノートを黒い天板のテーブルなど、濃い色の上に置くのがポイント。
ノートのグレーの部分を認識して、ページごとにデータ化することができます。真っ白のノートではページとページの間が判別しづらいので、こうはいきません。データ化したページの保存先として、Evernoteを選んでいる人も多いと思います。他のクラウドサービスのように、後々検索するのにも便利なうえ、データ上の手書き文字も認識してくれる機能もあるのです(ただし、すべての文字を認識してくれるわけではないのが惜しいところ。「ライフハッカー」という言葉を読み取ってくれなかったのはちょっと寂しい...)。
ScanNoteは「横罫線」タイプと「ドット方眼」タイプの2種類。サイズはそれぞれA5版(210円・1冊あたり)とセミB5版(220円・1冊あたり)が用意されています。ちょっと割高感もありますが、ノート1冊をまるごと切り離す快感は、一度体験してみる価値アリです。
その他、オススメのアナデジノートをお使いでしたら、ぜひコメント欄で教えてください。
(安齋慎平)
(2012.8.2更新)