誰しも「先延ばしにする」ことを否定的にとらえがちですが、特にクリエイティブな仕事や課題の場合は、生産的に取り組めるようになるまで「待っている」というのもままあります。果たしてそれは良いことなのでしょうか?

モンティ・パイソンのメンバーとして有名なイギリスの喜劇俳優であり、素晴らしい脚本家でもあるジョン・クリーズ(John Cleese)さんが、その問いに答えるようなクリエイティブに関するアイデアを教えてくれました。

ブログ「Co.Create」に、カンヌ国際映画祭で開かれた、クリエイティビティに関するクリーズさんのレッスンレポートがありました。そのうちのひとつは、サセックス大学の心理学教授Brian Bates氏の、クリエイティブでない建築家とクリエイティブな建築家を見分ける研究についてのものでした。

Photo by Rennett Stowe

 

クリエイティブな建築家は、子どものような遊び心や感性も持っているので、決断をできるだけ先延ばしにしようとする人が多いです。いわゆる「生産的な先延ばし」というもので、無意識のうちに何かがひらめくように、できるだけ時間をかけようとしているのです。

またクリーズさんは、「知らないうちに無意識が働くことで、初期のアイデアがより良くなること」についても語っています。クリーズさんはその昔、同じく喜劇俳優のグレアム・チャップマン(Graham Chapman)さんと共同で執筆した脚本の一部をなくしてしまい、すぐに記憶を頼りに書き直さなければならなくなりました。急いで書き直したその脚本は、元の脚本よりも出来が良かったというのです。

唯一考えられるのは、これまで自分が書いたものよりも、さらに良いものにしようという無意識が働いたのではないかということです。自分にとって最高の仕事の多くが、自分が意識的に取り組んでいない時に、無意識が働いた結果によって生まれたもののように思えてきました。

つまり、すぐに何かひらめきたい時は、自分にプレッシャーをかけない方がいいということです。最高の仕事をするには、できるだけ長い間その仕事を放置(保留)しておくのも手なのでしょう(退屈で意識が散漫になった状態もまた、驚くべき創造性を生み出すかもしれません)。ただし、できるだけ時間をかけるというのは、締め切りや期限までの時間が許す限りという意味ですので、くれぐれも誤解しないように注意してください。

4 Lessons in Creativity from John Cleese | Co.CREATE

Melanie Pinola(原文/訳:的野裕子)